ヴォディアノヴァの妹に差別対応

 世界的に有名なロシア出身のスーパーモデル、ナタリア・ヴォディアノヴァ(ナタリヤ・ヴォジャノワ)の妹のオクサーナさんが、ニジニ・ノヴゴロドのカフェで差別を受け、追い出された。オクサーナさんは脳性麻痺と自閉症を抱える障がい者。ロシア連邦捜査委員会のウラジーミル・マルキン報道官は13日、障がい者の人権が侵害された刑事事件として立件したことを明らかにした。

 「ロシア連邦捜査委員会ニジニ・ノヴゴロド州支部は、自閉症および脳性麻痺に苦しむ27歳の住民の人権が侵害された件を、犯罪の兆候により、刑事事件として立件した」とマルキン報道官。

 マルキン報道官によると、複数のマスコミの報道によれば、オクサーナさんと付き添い人は11日、喉が渇いたためにカフェに立ち寄った。するとカフェの店長は、オクサーナさんの普通ではないふるまいが他の客をびっくりさせるとして、店から出るよう求めた。「カフェの店長はいかなる法的な理由もなしに、望まない客に店から出るよう求めただけでなく、民間の警備会社の警備員まで呼んだ」とマルキン報道官。

 マルキン報道官によれば、警察は刑事事件捜査の中で、障がい者とその付添人に店を出ることを求めた店長の動機や、指示を受けた警備員の行動を調べる。

 先に、ロシア連邦内務省ニジニ・ノヴゴロド州警察が、ナタリア・ヴォディアノヴァの母ラリサ・クサキナさんからのカフェの店長に対する届け出にもとづき、捜査していることが伝えられていた。ラリサさんは、障がいを持つ娘がカフェから追い出されたと説明している。

 オクサーナさんが店から追い出されたのは11日で、これが明らかになったのは翌日のことだった。オクサーナさんは家族とともにニジニ・ノヴゴロド市に暮らしており、家族や付き添いなどからのサポートを受けている。これまで言葉を発したことはなく、今も話すことができない。ナタリア・ヴォディアノヴァはこれまでに何度も、妹の世話の大変さについて話している。散歩が足りないと、大声で叫んだり、水を飲むことを拒否したりする。何かを嫌がり始めたら、絶対に応じないという。それでもヴォディアノヴァは、妹が人生の試験に耐えることを教えてくれた、また妹が自分にとって、限りない愛のお手本である、とつねに語っている。

 「オクサーナの発達の仕方は特別。何時間も連続で散歩することができる。ママと付き添いの人はいつも、日陰で長い散歩の休みをとり、散歩を続けるために、カフェに立ち寄る」とヴォディアノヴァは交流サイト(SNS)「フェイスブック」に書いている。今回も、この目的でカフェに立ち寄ったが、店長は他の客をびっくりさせるからと、追い出してしまった。

 ロシア下院(国家会議)家族・女性・子供委員会のオリガ・エピファノワ副委員長は、今回の件を「許しがたい」と言っている。

 

*以下の記事を参照。

・インテルファクス

・ガゼタ・ル

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