ゴロデツが登場したのは、1152年、モスクワの創設者だったユーリー・ドルゴルーキー大公 がキエフ大公国の東方の国境を防衛するための要塞を築いた時代まで遡る。この居留地は「砦柵で囲まれた小さな町」を意味するゴロデツと命名された。
町の周辺には森が豊富にあったため、時代に関係なく木彫り職人や大工になることが最良の職業選択肢と考えられていた。現在、ゴロデツは「巨匠の町」として知られているが、それは多数の工芸が盛んだからだ。有名なゴロデツの画風、金の刺繍、木彫り、蜂蜜ケーキ、陶器やバスケット織りなどのあらゆる工芸が、この地では依然として活発だ。
ゴロデツについて興味深いもう一つの事実は、この町が17世紀以来、ロシアの古儀式派にとっての首都のような地位を確立してきたということだ。17世紀半ばに起こったロシア正教会の分裂後、改革の反対派は身を隠すことを余儀なくされた。彼らの多くはこの地域、すなわちヴォルガ中流地方と下流地方に定住した。