プーシキン美術館で森村泰昌展始まる

  「私のその作品が、現実の作品に並んでくるのは、以前もやろうとしていましたが、今までは中々実現できませんでした」と森村氏はオープニングで述べた。 「僕は高校生の時から絵を描くのが好きで、カンディンスキーがすごく好きで、カンディンスキーとそっくりに描いていました。その後、このような作品(セルフポートレート)を作り出したのは1985年からですけど、その一年ぐらいまえ、ロシア・アヴァンギャルドのマレーヴィチや、ロトチェンコ、エル・リシツキー等が本当に好きで、それを思い出すような写真作品を作ったりしました」。森村氏はロシア美術の影響についてこう語る。

  「私のその作品が、現実の作品に並んでくるのは、以前もやろうとしていましたが、今までは中々実現できませんでした」と森村氏はオープニングで述べた。 「僕は高校生の時から絵を描くのが好きで、カンディンスキーがすごく好きで、カンディンスキーとそっくりに描いていました。その後、このような作品(セルフポートレート)を作り出したのは1985年からですけど、その一年ぐらいまえ、ロシア・アヴァンギャルドのマレーヴィチや、ロトチェンコ、エル・リシツキー等が本当に好きで、それを思い出すような写真作品を作ったりしました」。森村氏はロシア美術の影響についてこう語る。

ミハイル・シニツィン
 モスクワの美術の殿堂「プーシキン美術館」で、企画展「森村泰昌~自画像の歴史」がオープンした。古の巨匠の作品のとなりに、現代日本の画家の作品82点が置かれている。その半数以上が森村氏本人のコレクションだ。
 ちょうど10年前、森村氏は既にモスクワで紹介されていた。現代美術ビエンナーレでのことだったが、展示の規模は今回とは比較にならない。
 「その時はサンクトに行って、そこで全部一人で作りました」と森村氏は回想する。今回はモスクワを初めて訪れ、両市の違いを痛感したという。「何が違うのか、よくわからないけど、サンクトはすごくヨーロッパ的かな。モスクワは、建物が本当にユニークで、日本の街と比較すると、僕はそんなに背が高くないからかもしれないけど、サイズに僕は驚かされました。普通日本で作られる建物の、その2倍か3倍ぐらい拡大された状態になるんです」
 例えば、森村氏の多数の作品から成る連作「レンブラントの顔」は、オランダの偉大な画家の銅版画にインスパイアされた写真であり、美術館の本館に、レンブラントの自画像のオリジナルと並べて置かれている。またそこには、連作「新カプリチョス」も展示されている。フランシスコ・デ・ゴヤによる銅版画の連作のモチーフに基づいて制作されたものだ。
 もう一つの森村展「Hermitage 1941~2014」では、第二次世界大戦中に作品が疎開し額縁だけが残されたエルミタージュ美術館をテーマに、肉眼では見えない現在と過去の交錯を表現した。
 森村氏はこう述べている。「古典的な画家たちの作品のなかに、私が“再現”した作品を並置するとは素晴らしいアイデアです。こんなことができるのはプーシキン美術館だけですね」

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