「最終戦略所有者(落札者)は、開発できる資金を持っていて、他の要件にも該当しなければならない」と、ロシアの証券会社「オトクルィチエ・ブロケル」市場分析部のコンスタンチン・ブシュエフ部長は話した。これは油田の性質と関連しているのだという。”重い”油を採掘する輸入設備が必要なのだ。ロシア企業は、アメリカによる経済制裁で、設備を直接調達できない状態にある。さらに、ブシュエフ部長によると、生産と精製の工程は、油田のある領域で縦軸統合されるのだという。つまり、落札者はロシア企業と外国企業の国際連合になる可能性がある。
これは、ロシアの国家予算が原油価格の下落により、赤字になっている現状において、重要な歳入の要素であると、ロシアのFX会社「テレトレード」のアナリスト、マルク・ゴイフマン氏は話す。そのため、原油の販売のためではなく、精製のための油田開発に、国が外国から投資を呼び込むことを決めたのだという。ハンティ・マンシ自治管区に石油精製工場を持っていることも、入札の条件にある。「精製を確保することで、採掘された原油がそのまま輸出されずに、現地で精製されるようになる」と天然資源・環境省広報課のニコライ・グトコフ課長は、ロシアの経済紙「RBCデイリー」に話した。
ゴイフマン氏によると、入札の条件に合うのはロシアの大手国営石油会社「ロスネフチ」と「ガスプロムネフチ」(国営天然ガス会社「ガスプロム」の石油子会社)、民間石油会社「ルコイル」だという。これらの企業には、ハンティ・マンシ自治管区に石油精製工場がある。だが、到達困難な原油を採掘する設備がなく、外国のパートナーがここで必要になってくる。ゴイフマン氏は、潜在的なパートナーとして、アラブ首長国連邦の「ムバダラ」基金、ノルウェーの石油・ガス会社「スタトイル」、イギリスの石油会社「BP」をあげる。BPは、ロスネフチの主要な株主である。
入札の過程で、鉱床の価格が数倍になる可能性があると、ベデンコフ部長は考える。サハ共和国の石油・ガス田開発の入札が2015年11月に行われた時、価格は1億4100万ルーブル(約2億1150万円)から25億ルーブル(約37億5000万円)まで上昇した。とはいえ、今回の入札は申請が1件しかなかったとしても、成立するという。
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