アルカジー・ドヴォルコヴィチ副首相
ミハイル・メツェル撮影/タス通信伝統的な西側のパートナーは、何よりもロシアの資源品すなわち石油とガスに関心を持っている。一方で、アジア諸国は、ロシアの食糧品といった非資源品を輸入することに、より前向きだという。
ドヴォルコヴィチ副首相は、シベリアの中心クラスノヤルスク市で毎年2月末に行われる、「クラスノヤルスク経済フォーラム」を仕切っている。昨年のフォーラムでは、欧米との関係が冷え込む中で宣言されたロシアの外交政策の新たなベクトル、東方への転換が主題となった。この時に主要なスピーカーとなったのは、ベストセラー「いかにアジアは動いているか(How Asia Works)」の著者ジョー・スタッドウェル氏。この本を、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏は、その年の最高作品の一冊に選んでいる。
今年のフォーラムでロシアとアジアの協力が主題としてくりかえされることはないと、ドヴォルコヴィチ副首相は説明した。今年の主なテーマは、近い将来のロシアの発展を定める重要な文書「戦略2030」についての議論。著者はロシアの主要な経済学者。新戦略の最初の議論が行われるのが、このフォーラムだ。
「政府の今日の課題から、戦略の議論はより重要なベクトルだと考えている」と、ミハイル・アブィゾフ「開かれた政府」担当相はロシアNOWに話した。「開かれた政府」とは、政府の仕事の開放性を担当する特別な組織。それでも、アジア市場はロシアにとって最優先となりつづけ、「戦略2030」でもアジアとの協力は主要な部分の一つとなる。
フィリピン・マニラで昨年11月に行われたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議には、ウラジーミル・プーチン大統領に代わり、ドミトリー・メドベージェフ首相が出席した。専門家はこれを受けて、ロシアが「東方への転換」をやめるのではないかと憶測したが、クレムリンはプーチン大統領の日程の調整がつかないことが理由だと説明していた。
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