ヨーロッパ各国は、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)と同様、新たな製品と可能性を模索しており、これが開発者の輸出潜在性を刺激すると、ニキフォロフ大臣は話した。IT市場の多様化と非独占化は消費者にとって必要なことだという。
ニキフォロフ大臣がジャーナリストとIT業界の発展について議論したのは、オープン・イノベーションの一環として、「ロシスカヤ・ガゼタ(ロシア新聞)」の国際プロジェクト「RBTH(その日本語版がロシアNOW)」が28日に主催した円卓会議の場である。この会議には、日本、韓国、中国、シンガポール、セルビアの外国の出版関係者も参加した。
ニキフォロフ大臣は、ロシアがIT輸出に関心を持っていることを説明し、「アッビ」、「カスペルスキー・ラボ」、「ヤンデックス」などのIT企業の成功について触れた。韓国のユーザーの多くが2014年、同国で人気の通話アプリ「カカオ・トーク」からロシアの通話アプリ「テレグラム」に移行したことも、注目すべき現象である、と。韓国の情報機関がカカオ・トークを監視しているとの疑惑が浮上し、ユーザーが不安を感じたことが移行の理由。
「外国市場でロシア企業を振興するためのロビー活動は行っていない。これは公正な競争」とニキフォロフ大臣。また、すべての国の政府が市場の多様化に努めるべきだと述べた。「『グーグル』のような独占企業が存在すると、革新企業や技術の障害となり、市場への参入が不可能になる」
大学、シード・ファンド(新興企業の最初期に投資する種子基金)、ベンチャー企業の数を増やしながら、独占と闘うことが必要だという。地方ではITベンチャー企業を振興するためのインフラが整備されている。「ロシアの発明者は、経営および外国市場、自分たちの製品の輸出潜在性に関する十分な知識を持っていない」とニキフォロフ大臣。
BRICS諸国の間で、公正な競争と協力が強化されているという。「より多くの中国企業がロシアの通信市場に機器を輸出するようになっている」とニキフォロフ大臣。
2015年9月に施行された、ロシア人の個人データをロシア国内に保管することを義務づける法律について、ニキフォロフ大臣はこう話した。
「これは安全性の問題。世界の多くのことがモバイルに依存している今日、ロシア人の個人データが海外に保管されるようなことを許容できない。インターネット企業に悪意はないが、民間事業が情報機関の圧力にさらされることがあまりにも多すぎる」
タクシー予約アプリ「ゲット」の運営会社は10月、ロシアのユーザーのデータベースを完全にロシアに移したことを伝えた。来夏に実施する意向を伝えたのは、「ユーバー」、「イーベイ」、「グーグル」、「バイバー」、その他のIT関連企業。
「多くの国が独占企業の圧力に悩まされており、新たなITサービス企業を歓迎している」と、ニキフォロフ大臣はロシアの検索会社ヤンデックスのイラン事務所が開設されたことに触れながら、述べた。ヤンデックスは中国にも事務所を構えており、ブラジルとメキシコのモバイル広告ネットワークと提携している。2011年に最初に開拓した外国市場はトルコであった。
ヤンデックスはロシア市場で首位に立っているが、アンドロイド機器でグーグル・アプリが支配的であることが状況を困難にしている。ロシア連邦反独占局は最近、「競争保護」法の違反を是正するようグーグルに命じた。
ロシアの統計サービス「ライヴインターネット・ル」によると、ロシア市場におけるヤンデックスのシェアは、2013年9月には62.6%だったが、2015年9月には57.4%まで縮小した。10月、「マイクロソフト」が新たなパートナーになった。CIS諸国とトルコの市場では、OS「ウィンドウズ10」のブラウザで、ヤンデックスが主要な検索サービスになる。
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