写真提供:「RAO東エネルギー・システム」
日本の経済界は対ロシア経済制裁にかかわらず、サハリンと北海道を海底ケーブルでつなぐ電力ブリッジの建設案に関心を持っている。RAO東エネルギー・システムのセルゲイ・トルストグゾフ社長がこれを明らかにした。
「このプロジェクトに対する日本企業の関心は十分。対ロシア経済制裁の影響を感じた時期もあった。我々と会い、プロジェクトに興味があります、だけで終わっていた。年が明けてからは関心の高まりを目の当たりにしており、こちらからも接触している。日本では状況が変わっているし、それは良い傾向」
電力ブリッジの建設案は2000年から検討されている。当時の見積額は56億ドル(現行レートで約6575億円)。
東京で昨年、国際シンポジウム「アジアスーパーグリッドによる国際連携の可能性」が開催された時、このプロジェクトについて詳細な話し合いが行われた。電力ブリッジ「サハリン-北海道」は、ロシア、中国、モンゴル、韓国、日本の5ヶ国からなるアジアスーパーグリッド構想の一部になる可能性がある。
3段階のプロジェクト
ルスギドロは現在、プロジェクトの実現可能性調査を行っている。調査には、日本のエネルギー部門と将来的な電力需要の分析、日本でのプロジェクト実現案の有効性評価が含まれている。
プロジェクトは複数段階にわける予定。
第1段階では、サハリンから宗谷海峡経由で北海道まで海底ケーブルを敷設し、サハリンで発電された余剰電力(0.5ギガワット)を輸出する。日本で2030年から全発電量に占める原発の割合を減らそうとしていることもあり、この電力が特に必要になる可能性もある。
第2段階では、日本への輸出用として、最大1ギガワットの追加的発電設備をサハリンに建設する。「サハリン南部に新たな発電所が建設される可能性もある。そうなった場合は、輸出に特化した発電所になる」とトルストグゾフ社長。
第3段階では、東部統合エネルギー・システムと、主要な孤立網を海底ケーブルでつなぎ、統一構造を創設する。事前予測では、これによって日本に2~4ギガワットを輸出することが可能になる。
ルスギドロのエヴゲニー・ドド社長によると、日本のエネルギー分野の関係者はサハリンからの送電案を積極的に推進しているという。「プロジェクトが日本にとって経済的に極めて妥当というだけでなく、日本外務大臣のモスクワ訪問の議題に置かれていることとも関係していると思う。これは電力網の状態を変え、経済を改善する、生きたプロジェクトであると考えている」
*以下の記事(露語)を参照。
・タス通信
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