ロシア連邦運輸省は近日中に、サハリンと北海道の間に横断路を設置する構想について、日本と協議を行う =Getty Images/アドリアン・モザー撮影
「現在これについて研究中。マクシム・ソコロフ運輸相は近日中に訪日し、サハリンと北海道の間に横断路を設置する可能性について話し合う」。ホロシャビン知事によると、このプロジェクトはサハリン州だけでなく、ロシアにも大きな利益をもたらし得るという。
シベリア鉄道を北海道とつなぐ
「サハリン・ロシア本土」プロジェクトには、間宮海峡(7.5キロメートル)に鉄道・道路併用橋をかけて、シベリア鉄道をサハリンまで延長し(約580キロメートル)、さらにサハリンの鉄道システム(約850キロメートル)を刷新する計画が含まれている。
ここからさらにサハリンと北海道の間の宗谷海峡(約42キロメートル)に橋またはトンネルを建設し、プロジェクトを拡大しようとしているのだ。
ロシア政府の専門家が2002年に行った調査では、技術的に可能であること、また社会・経済的な効果をもたらすことが確認された。
総額1兆5000億円
宗谷海峡の横断路を除いたこのプロジェクトのコストは、45億ドル(約4500億円)と試算されていた。内訳は「サハリン・ロシア本土」の新たな支線と橋の建設費用が20億ドル(約2000億円)、サハリンの鉄道刷新費用が25億ドル(約2500億円)。
専門家の試算によると、宗谷海峡に横断路を設置した場合、80~100億ドル(約8000億~1兆円)ほどかかるという。したがって2002年の見積額 を合わせると、このプロジェクトへの投資額は120~150億ドル(約1兆2000億~1兆5000億円)になる。建設工事は7年ほどかかる見込み。
年間収益は約3000~4000億円と試算
宗谷海峡の横断路のプロジェクトが実現した場合、年間400~600万個のコンテナが日本とヨーロッパの間で輸送され(日本とヨーロッパの間の総コンテナ個数の15~20%)、さらに年間1800~2000万トンの貨物が日本とロシアの間で輸送される可能性があると、専門家は試算している。これらの輸送 から得られる年間収益は、30~40億ドル(約3000~4000億円)になる可能性があるという。
新しい輸送路が生まれると、輸送コストを削減でき、ロシア極東のシベリア鉄道およびバイカル・アムール鉄道沿線地域からの鉱物資源、木材、その他の自然の開発や輸出を活発化させることが可能になる。
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