ソフィヤ・ヴェリカヤ、ロンドン、8月1日、2012年=
ヴァレーリイ・シャリフリン撮影/タス通信2000年代初めのアリーナ・カバエワの時代から、ロシアの新体操の選手が表彰台にあがる様子をファンは見慣れていた。クドリャフツェワはそんなカバエワを凌駕している。
クドリャフツェワは18歳の現時点ですでに、13個の世界選手権の金メダルを獲得している(カバエワは9個)。2013年にシニアデビューし、すぐに最年少世界チャンピオンになった。初めての五輪には絶対的なメダル候補として出場する。その優位性と将来性には疑いの余地がない。
ヤナ・クドリャフツェワ=イェゴル・アレエフ撮影/タス通信
ファンはクドリャフツェワを「鉄の翼がついた天使」と呼んでいるが、その名の通り、きゃしゃな可愛い女の子なのに鋼の神経がある。2013年世界新体操選手権大会(キエフ)の予選では、リボンの演技の最中に音楽が何度も止まったが、取り乱したり、止まったりせずに、最後までプログラムを全う。決勝に進み、優勝した。
「緊張することはまったくない...神経系がそういうつくりになっているみたい」と、本人は「スポルト・エクスプレス」紙のインタビューで話している。
2015年の世界選手権(シュトゥットガルト)には足舟状骨を骨折した状態でのぞんだにもかかわらず、金メダルを5個手にできたのも、心理のまれな安定性によるものであろう。
それでもクドリャフツェワをパーフェクトなロボットと考えるべきではない。気分がのらない時に理想の演技をするのは難しいと、本人は打ち明けている。代表では、厳しい競争関係にあるにもかかわらず、ライバルのマルガリータ・マムーンと仲良しだ。練習基地には、2人の共通の飼い犬がいる。ミニチュアスピッツで、名はレブロン・ジェームズという。
ロシアのシンクロ選手は活躍を続けてきたため、ファンの多くにとって、成功は当たり前になってしまっている。「銀メダルか銅メダルだったら、シンクロのことを今後10年は忘れられる」と、ロマシナは危機感を示した。
スヴェトラーナ・ロマシナ=スタニスラブ・クラシルニコフ撮影/タス通信
ロマシナは現在26歳。五輪で3個の金メダル、世界選手権で18個の金メダルを手にしている、ロシア・シンクロの主要なスター選手だ。ソロ、チーム、デュエットで優勝している。リオ五輪ではデュエットの相手のナタリヤ・イシチェンコ(30)とともに、写真家の注目を浴びるかもしれない。ロシア選手は新しいイメージでいつも驚かせるからだ。
ロマシナにとって今回の五輪は最後になる。家族と一緒の時間を増やしたいと希望している。ただ、スポーツのキャリアを終えるわけではなく、夫の影響で夢中になったセーリングに移行する予定。
シンクロをやめることで、バレエというもう一つの熱中していることに時間を注げるようになる。数年前には、マリインスキー劇場で「白鳥の湖」を見たいと希望し、練習を1日休んでサンクトペテルブルクに行っている。
ソフィヤ・ヴェリカヤ=アルチョム・コロタエフ撮影/タス通信
ヴェリカヤ(31)は長きにわたり、女子フェンシングのサーブルのエリートとして君臨し続けてきたため、メダルを総なめにしているような感じがする。世界選手権で7個の金メダルを手にしているが、唯一欠けているのが五輪の金メダルである。4年前のロンドン夏季五輪の決勝で対戦した相手は韓国のキム・ジヨン。負ける相手ではなかったはずだが、ジヨンはその日、驚異の活躍を見せ、優勝。ヴェリカヤは準優勝にとどまった。ヴェリカヤはその後出産して復活した。今回の五輪には世界チャンピオンとしてのぞむ。昨年の世界選手権では、個人戦でも団体戦でも優勝している。
自分の年齢については、欠点ではなく、切り札だと考えている。「選手が大人であるほど、責任感が強くなる。集中力が増し、気持ちを高められ、気が散ることが減る。ずっと成熟する」と、本人は「Rスポルト」紙のインタビューで話している。
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