レオニード・スルツキイ監督=
ロイター通信撮影ロシアは優勝候補ではない。まずはグループリーグを突破しなければ。突破できたなら、あとは勝利を目指し、プレーオフの一試合一試合を戦っていく。
では優勝候補はというと、私はフランスを推す。第一に、彼らは開催国だし、第二に、彼らは強力なメンバーを集めた。それぞれのラインから最高級のプレイヤーが集められた。「スタッド・デ・フランス」における親善試合で我々はそのことを確信したのだ。他にも、スペインやドイツ、ベルギー、イタリアなどに注目したい。
まあ短所だろう。いつだって、自分のチームに世界的に認められたスターがいるというのは、気分のいいことだ。もっとも、我々にもリーダーはいる。イーゴリ・アキンフェエフ、ワシーリイ・ベレズツキイ、セルゲイ・イグナシェヴィチ、ロマン・シロコフ、イーゴリ・デニーソフ・・・。この人たちは長年、代表でプレーしており、大きな大会にも何度も出ている。仲間たちを率いることができる人材だ。
若い選手に外国から良いオファーが来たなら、応じるべきだ。ヨーロッパではこの上なく厳しい競争に揉まれることになる。そこで生き残ってはじめて、本当のプロになるのだ。
ロシアでも成長し、向上することはできる。しかし、いかんせん、ロシアには十分なインフラが整っていない。CSKA、「ゼニート」「スパルタク」「ディナモ」といったビッグクラブのスクールに通えるなら御の字だが、ロシアの地方の少年団・青年団でプレーするとなると、話は別だ。ビッグクラブのスカウトの目に留まらなければ、トップ選手になるのはほぼ絶望。地方はインフラも整っていなければ、優秀なコーチもなく、医療スタッフも不足している。
あの時は現代ロシア史上最強の代表だった。チームは非常に質の高いサッカーを見せ、進むべくして準決勝に進んだ。ロシア代表の最大の勝利と言っていい。よく覚えているのは、オランダ戦(準々決勝。3-1でロシアの勝ち)と、試合終了のホイッスルの後味わった、あの気持ちだ。とめどもない喜び。監督として、あの気持ちを味わいたいものだ。
それぞれにそれぞれの理由がある。私の見方では、アルシャヴィンは「アーセナル」で素晴らしい活躍を見せた。素晴らしい成績を示し、長い間チームのリーダーだった。
パヴリュチェンコも「トッテナム」で得点を量産した。ただ、もしかしたら、ロシアに帰るのを急いでしまったかもしれない。本人によると、(ハリー・レドナップ)監督は、彼に残って欲しかったそうだ。ジルコフも、「チェルシー」のアンドレ・ビラス・ボアス監督に慰留された。しかし、この全員が、故郷に惹かれてしまった。みな年齢的に熟してから、英語が低レベルなまま外国へ渡った。適応は容易ではなかったのだ。
成功と成果に満ちた、ある意味革命的な期間だった。外国人監督たちは結果を出すために多くのことをなした。チームは世界および欧州選手権の常連となり、選手自身の哲学も変化した。自分たちは多くのことができる、ということを理解したのだ。
ギリエルメは非常によい教育を受けた、経験豊富なキーパーだ。私は帰化を特別視しない。それは世界中で行なわれていることだ。ドイツもスペインもイタリアも、外国人サッカー選手を帰化させている。我々だけそれをしてはならないなどという法はない。
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