露文化フェスは日本文化の一部

国際文化協力担当大統領特別代表を務めるミハイル・シュヴィドコイ氏=

国際文化協力担当大統領特別代表を務めるミハイル・シュヴィドコイ氏=

写真提供:ロシア新聞
 日本で毎年開催されている「ロシア文化フェスティバル」には、最近10年で1300万人以上が訪れ、この間に日本の文化の一部となった――。元文化大臣で現在は国際文化協力担当大統領特別代表を務めるミハイル・シュヴィドコイ氏は、ロシア大使館で催された自身の「創造の夕べ」で、こう語った。

 シュヴィドコイ氏は、ロシア文化の現状とその発展について、スピーチのなかで意見を述べた。「ロシアにとって今日重要なのは、芸術教育のシステムを保存すること」。同氏によれば、ボリショイ劇場(モスクワ)やマリインスキー劇場(サンクトペテルブルク)のようなオペラとバレエの殿堂の伝統を受け継いでいくためには、それが必須であるという。

 「伝統の継承は極めて重要なこと。歌舞伎、能などあらゆる伝統芸能でそうであるように」とシュヴィドコイ氏は付け加えた。

 その一方で、発展なき芸術はあり得ないと、氏は強調した。「今、ロシアの芸術に現れている新傾向については、人によって好悪は分かれるだろうが、それでも、それらは何か新しいものを模索しようとしている」。シュヴィドコイ氏は指摘した。

 

映画にアクセント

  日本で開催されたロシア文化フェスティバルの主催者によると、今年の訪問客は65万2千人。過去10年間では、1320万人超に及ぶ。

 「フェスティバルは、日本の文化行事の一部となり、この10年間でそれが欠かせぬイベントであることを証明した」。シュヴィドコイ氏はタス通信に対し、こう述べた。

 このほか同氏は、来年のフェスティバルのプログラムについても語った。「2016年のフェスティバルのプログラムでは、映画にアクセントを置くように努めたい」

 また氏によれば、ロシア側は日本で、単にロシア映画をフェスティバル形式で広く紹介するだけでなく、上映のための「戦略的パートナー」を見つけたい意向だ。

 

ロシア文化フェスティバルとは

 ロシア文化フェスティバルは、2006年以来、毎年日本で開催されている。

 今年は、第10回という区切りを迎え、その記念のフェスティバルの枠内で、有名なロシアの音楽家、楽団、民族音楽アンサンブルなどが出演。展覧会や映画、アニメーションの上映も行われた。

 7月と8月には、ボリショイ・モスクワ国立サーカスの公演が行われたが、このサーカスは5年連続で参加している。11月には、マリインスキー劇場の公演が大成功裏に行われた。

 この“文化的マラソン”の最後を飾るのは、レオニード・ヤコブソン記念ロシア国立サンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエの公演。とくにその「くるみ割り人形」は、12月19日に東京で、フェスティバルの閉会式のなかで上演される。

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