インペリアル・シリーズ「ダイヤの格子」の8個目のエッグは、皇帝アレクサンドル3世が1892年の復活祭にマリヤ・フョードロヴナ皇后に贈るために発注したもの。エッグの殻は青リンゴ色の半透明の石が切削されたもので、ダイヤモンドがちりばめられている。当初、エッグには智天使のついたシルバーあるいはゴールドのスタンドがあった。智天使は夫妻の3人の息子ニコライ、ミハイル、ゲオルギーを象徴していたと考えられている。また、エッグの内側には、ぜんまいじかけの小さなゾウのサプライズが入っていた。この記述はファベルジェの帳簿に残っており、英語に翻訳されていた。
ロシア革命後、エッグは没収され、数年後に海外に売却された。エッグは複数人の個人コレクションを経て、アメリカのマクファーリン家のコレクションになったが、このサプライズは紛失していた。
それがこのゾウだという証拠がイギリスの研究者のもとになかったため、修復士はこれを解体することを決定した。
「ゾウの塔の一部が欠損している。単に金属疲労によって落下しただけのようだ。その代わりに、像の基礎を覗くことができた。塔の上部を外した時、私の心臓は止まりそうになった。そこにはファベルジェ印があったから!こうやって発見した物が本物であるという証拠を見つけた」とデ・ギトー氏。
このゾウがいかにして英国王室コレクションに入ったのかは謎のまま。一説によると、ジョージ5世が1935年に購入したのだという。
ファベルジェ製のイースター・エッグは、オークション市場では貴重な品。価格は1850万ドル(約22億2000万円)に達する。これはロシアの収集家アレクサンドル・イワノフ氏が2007年、イギリスのオークション・ハウス「クリスティーズ」で「ロスチャイルドのエッグ」に支払った金額である。
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