ロシア発の現代美術

 現代美術見本市ウィーン・コンテンポラリーが9月末、ウィーンのマルクス・ホールで開催された。この催しにはロシアの六つのギャラリーを含む100を超える欧州の有名ギャラリーが参加した。世界的に著名なロシアの現代美術家たちと最近の動向について、ロシアの主な画廊主宰者たちに紹介してもらった。

セルゲイ・ポポフ氏(ポップ・オフ・アート・ギャラリー)

 世界ではアナトリー・オスモロフスキー、ビノグラドフとドゥボサルスキのデュエット、グループAES+F、セルゲイ・ブラトコフといった、ペレストロイカ以後に登場したロシア美術のスターたちが知られている。

 今は、オリガ・チェルニシェワに人気があり、彼女はベネチア・ビエンナーレの基本プロジェクトに参加している。

 ロシアの現代美術といえば、第一に、幅広い人気を博するエリク・ブラトフやイリヤ・カバコフといった現存する巨匠たちの名が浮かぶ。

 

エカテリナ・イラギ氏(ギャレリエ・イラギ)

 ロシア美術のスターの筆頭はイリヤ・カバコフ。もっとも、彼はかなり前から米国に在住している。彼と美術理論家でキュレーターのボリス・グロイスのおかげで、モスクワ・コンセプチュアリズムは世界で最も有名な現代ロシア美術における潮流とみなすことができる。

 現在、ロンドンのギャラリー、ナラティブ・プロジェクツでニキータ・アレクセエフの大がかりな単独プロジェクトが準備されている。

 

ミハイル・オフチャレンコ氏(レギナ・ギャラリー)

 ロシアの最も有名な美術家は、さまざまな世代を代表しユニークな変遷をたどってきたイリヤ・カバコフ、オレグ・クリク、パーベル・ペッペルシテイン、そしてプッシー・ライオットだ。

 最近はエフゲニー・アントゥフィエフやパーベル・ペッペルシテインの作品に外国人収集家たちの関心が絶えず寄せられている。

イリヤ・カバコフ 「甲虫」、1982年。

 

ナタリヤ・ヌシノワ氏 (トゥリオンフ・ギャラリー)

 カバコフのほかに、最も有名なのはプッシー・ライオット、グループAES+F、オリガ・チェルヌィシェワ、イリナ・コリナ、集団「シトー・デェーラチ(何をなすべきか」。

 さらに、欧米のミュージアムで紹介されている美術家を十人ほど挙げることができる。

 ロシアの国際見本市ではありとあらゆる作品が購入されており、西側とロシアの収集家たちを分かつ特徴的な好みというものは特にない。

 肝心なのは、絵画や彫塑から写真や映像に至るまで、それがすばらしい美術であることだ。

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