タス通信
伝書鳩スパイ(「取引所報知」紙、6月22日)
敵のスパイ活動では、その忌まわしい目的のために、清純さと無垢の象徴である鳩まで応用されるにいたった。
電信で既に伝えられたところによると、ガリツィアからキエフに200羽以上の伝書鳩が運ばれて来た(*ガリツィアは現在のウクライナ西部で、当時はオーストリア帝国領。第一次世界大戦当時は、ロシア軍が独墺軍から何度か奪ったり、奪い返されたりした――編集部注)。これらの鳩は、ガリツィアの“一般市民”から没収されたものだ。彼らは鳩を使って、スパイ目的で、ウィーンその他の都市と通信していた。
伝書鳩がスパイ目的で使用されていたことは、ロシア帝国のリヴォフ(リヴィウ)諜報支部により摘発された。
とはいえ、この現代にあって、伝書鳩はどんな役割を果たし得るのだろうか?弊紙は、ある軍事専門家に聞いてみた。
「新しいより完全な通信手段が出現していることから、伝書鳩の役割は終わったと考える向きもある。遠隔地同士でやり取りできる技術が現れたことで、伝書鳩は歴史的に死んだ、と。だが、実際にはそうではなかったということだ。いかに技術が進歩しようが、電信、野戦電話などの装置は、スパイにとっては、摘発された場合、動かない証拠物件になってしまう。ところが、おとなしくて平和な鳩となれば、話は別だ。他の同類のなかでほかならぬその鳩が、“一般市民”の企みで、裏切りの情報を運んでいるなどと誰に分かろうか?」
害虫駆除専用の蒸し風呂(ヤロスラヴリ報知、6月24日)
ドイツの軍当局は最近、中立国の南北アメリカ、オランダ、スウェーデン、ルーマニア、ギリシャ、スイスから18人のジャーナリストを東部戦線に招き、兵士に寄生している害虫(*主にノミ、シラミ――編集部注)を駆除するための、専用の蒸し風呂を公開した。
アレクサンドロヴォで、これら中立国の記者達は、2ヵ月間かけて設置された巨大な蒸し風呂を見学した。設置費用は175万マルク。このサウナは8つの区画に分かれており、1昼夜で少なくとも1万2千人の兵士の害虫を駆除できるという。兵士が身に付けている長靴その他の革製品の消毒は、摂氏95度まで温度を上げた水蒸気でドライクリーニングする。
「ベルリン日刊紙」(Berliner Tageblatt)によると、ロシアとの国境沿いにずらりと、この種のサウナが設置されたとか。
クレムリンを襲った蜜蜂の大群(大衆紙「モスコフスキー・リストーク」、6月26日)
6月25日午前10時、クレムリンに蜜蜂の巨大な群れが飛来し、最初は、大クレムリン宮殿の金メッキを施した尖塔の基底部近くの屋根で羽を休めたが、その数分後には、ポテシヌイ宮殿と「冬の庭園」(温室)の壁に移動。蜂の一部は、宮内長官のニコライ・オドエフスキー=マスロフ公爵の執務室にも飛び込んだ。
この招かれざる客にお引取り願うため、有名な養蜂家K.スタルツェフ氏に連絡をとった。
女性と科学の相性?(モスクワ県報知、6月28日)
ここ数日、あたかもそれがセンセーションでもあるかのように、一つのニュースが鳴り物入りで報じられている。どうやら、女性の大学入学が許可されるようだ、と。この報道には確かに人々は驚いたが、それはこの事実のためではなく、女性の大学入学の是非が現代にあってなお問題であり得ることのためだ。
実際、次のようなことを耳にしたり読んだりするのは、実に奇妙なことである――大学の新規則を作っている委員会で、いまさらながらこんな問題が提起され、議論を呼び起こし、あまつさえ反論があったために、これまで決しられなかったとは!
これは古い、実に古い問題である。今まで何度議論され、“解決”されてさえきたことだろう。ロシアでは、女性は既に1860年代に大学で学んでいたし、今日も学んでいる。女性を大学に入れ、学問させたことで、何も悪いことは起きなかった。学問も大学も、別に被害は被らなかったのだ。ところが偏見の偏見たるゆえんは、そしてそれが恐ろしいのは、それらの先入観が或る不可解な力を持っていて、事あるごとに、真の社会生活の清浄な流れを混濁させる、ということだ。
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