『天体建築論 レオニドフとソ連邦の紙上建築時代』

2015年2月11日 安達大輔, 一橋大学講師

刊行:2014年3月

本田 晃子 著

東京大学出版会

 

 20世紀初期のソ連文化は「新しい人間」のための革命と実験の場だった。本書で扱われているレオニドフの試みが土地や旧習に縛りつける重力から人々を解放することであったと知るとき、「建築家」がこの時代に帯びていた負荷を思わされる。彼の作品は実際にはほとんど建てられることはなく、新たな生の創造はマスメディア(雑誌)を利用して世界の見かたを更新することで行われていた。イメージが現実に直結する写真以後の視覚体制の下で紙上建築を語る設計者の言葉は稀薄だが、一方でその作品は紙上と建築のあいだに未知の身体を宿してゆく。その後スターリン体制の確立とともに進む視覚-言葉-身体の関係の再編成を、この本は残された写真を読み解くように明快な言葉で語っている。

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