写真提供:kinopoisk.ru
モスクワの在ロシア北朝鮮大使館は、金正恩氏の暗殺をテーマとしたアメリカ映画「ザ・インタビュー」について、「危険な映画で、テロリズムを肯定し、奨励している」としている。
「この映画の上映はあらゆる国で禁じられるべきだ。ましてや、ロシアのような、友好関係にある文明国で、友好的な主権国家の指導者を暗殺する映画を上映することなど、想像もできない」。北朝鮮大使館の声明にはこう述べられている。
同国外交官らの見解では、このような映画を製作したことは、米国の「精神的未熟さと道徳的な低劣さ」を示しているという。
一方、国際文化協力担当ロシア大統領特別代表のミハイル・シヴィトコイ氏も12月25日に、この映画のロシアでの上映に反対すると述べた。同氏は、「ロシアと北朝鮮との間には一定の歴史的関係がある」としたうえで、ロシアには「他国の指導者を侮辱する習慣はない」と指摘した。
ソニーピクチャーズ「ロシアでの上映の日にちは未定」
前日の24日には、この映画はTorrentサイトに登場。合法的なオンライン上映に関しては、上映権を持つソニーピクチャーズからはサイトの方に何のオファーも来ていないが、映画に興味をもつ人はいるという。
ソニーピクチャーズのロシア現地法人は、ロシアでの上映につき、「従来、1月29日に広く一般公開される予定だったが、それはなくなった。公開の新たな日付については、追って発表する」としている。
12月18日、ニューヨークでの 初公開を控え、ソニーピクチャーズは、不明な人物から、上映中にテロを行うとの警告を受けとり、上映を中止。これに続き、アメリカの主要映画館も、上映を拒否した。
17日にはインターネットに、映画の一部――金正恩氏の暗殺の場面――が現れた。11月末には、映画はすべて、ハッカーのソニーピクチャーズに対するサイバー攻撃により、同社から盗み出されている。
公式の封切は、ようやく12月25日に、300以上の独立系の映画館で行われた。FBI(連邦捜査局)はクリスマスに際しての上映を注意深く監視するとしており、職員らが封切が行われた一連の映画館に出向いている。
「ザ・インタビュー」の主役は、セス・ローゲン(主演・監督・脚本の3役)とジェームズ・フランコ(「スパイダーマン」、「ミルク」などに出演)。
トーク番組司会者を務める2人の記者が、金正恩氏へのインタビューを許されることになり、その後中央情報局(CIA)に雇われ、彼を暗殺する指令を受けるという筋だ。
*レンタ・ルとロシア通信の記事を参照。
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