ワレンチナ・マトビエンコ = ロシア通信撮影
女性政治家の2タイプ
国政レベルで重要人物と目される女性政治家は、前サンクトペテルブルク市長で、現連邦会議(上院)議長のワレンチナ・マトビエンコさんだけである。
政界には2つのタイプの女性がいると、科学アカデミー社会学研究所の専門家オリガ・クリチタノフスカヤさんは言う。「前者は可愛い人形を見ていたい男性によってそこに置かれた人たち、後者は自らの能力でそこにやってきた人たちです。マトビエンコ氏はまさしく後者ですけど、ジェンダーについて質問されるのを嫌っています」。
1990年代初めにソ連式の当選枠が廃止されると、女性は政界から姿を消した。共産主義イデオロギーに代わって、伝統的な男性優位の考え方が復権したのだ。
男性優位と縁故主義のはざまで
日系のイリーナ・ハカマダさんは、ポスト・ソ連期を象徴する女性政治家で、2004年には大統領候補にもなったが、今はすでに引退している。以下はラジオ局「モスクワのこだま」の番組での彼女の述懐である。
「政治家だった13年間というもの、私は男性と同権の政治家であることを証明するのに時間と労力の70%を費やさねばならなかった。法案を通すのには30%しか残っていませんでした」。
縁故主義がはびこる状況では、カリスマ性や才能さえさほど重要ではない。 見返りを保証してくれる権力や後ろ盾への忠誠の方が大事なのだ。
国家会議(下院)の14%を占める女性議員たちは全員スーパーウーマンとは程遠い。彼女たちが家族、児童、健康などに関する法案づくりを促進しないことも往々にしてある。「彼女たちは幅広いビジョンを持った真の意味での政治家ではなく、むしろ雇われた職業人ですね」とオリガさんは言う。
それでも、こうした中から立ち上がる人たちはいる。元オリンピック・スピードスケートのチャンピオン、下院副議長スべトラーナ・ジュロワさんがそうだ。
「女性は、相手の反応を見ながら交渉や協力をすることに長けています。女性はもっと積極的に重要な決定に参加する必要があります」とオリガさんは力説している。
ロシアの有名な女性政治家
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