レーニンの遺体の埋葬を支持する人は56%に達し、過去6年間で10%増えた =ロシア通信撮影
「ソ連とそのイデオロギーの崩壊後に何が起こったか」とプーチン大統領は支持者に問いかけた。「我々は、その替わりになるものを与えられることはなかった」。
プーチン大統領は、ロシア共産党議長ゲンナジー·ジュガーノフ氏の言葉をほとんど一字一句繰り返し、1961年に作られた共産主義者の法典は、聖書やコーランから多くを借用していると述べた。
プーチン大統領の発言は、世論調査によると、霊廟からのレーニンの遺体の撤去、改葬への国民の支持が高まっているのを背景に、なされた。
レーニンの遺体の埋葬を支持する人は56%に達し、過去6年間で10%増えた。レーニンの遺体は霊廟に残されるべきだと答えたのは、28%にとどまった。
ニュースサイトGazeta.ruの報道によれば、さる2010年、政治思想家の集うヴァルダイ・クラブの会合で、プーチン大統領は、キリスト教スタイルの葬儀の可能性について言及し、「適切な時期に」行われることになるだろう、と述べていた。
「時期が来たら、ロシア国民は何をすべきかを決めるだろう」。
「聖骸とレーニンのミイラの比較は許しがたい」
プーチン大統領のコメントを受け、「レーニンを撤去する運動」の著名なメンバーであり、モスクワのいくつかの教会の修道院長を務めるセルギウス神父は、聖人の遺骨とレーニンの遺体を比較することは「許しがたい」と答えた。
「聖人の遺骨と、悪魔主義者、独裁者、血まみれの怪物の遺体はぜんぜん別物だ」とセルギウス神父はインターファクス通信に語った。
「プーチンはおそらく双方を喜ばせようとしているのだろうが、選択すべきです。 国益を考えてロシアを構築するか、共産主義者に寄り添うか」。
“ロシア民族のための”民族主義運動「ルースキエ(ロシア人)」のリーダー、ドミトリー・デョームシュキン氏は、民族主義者とロシア正教の活動家は、プーチン氏の発言に激怒していると述べた。
「プーチンは間違いなく多くの正教会とコサック組織の支持を失うだろう」。
現在、永久保存されている指導者は5人
赤の広場のレーニン廟は、世界の政治指導者の霊廟で、現存する5つのうちの一つだ。レーニン自身は、ペトログラード(現サンクトペテルブルク)で両親の近くに埋葬されることを希望したが、スターリンはレーニンが亡くなった1924年直後に、赤の広場に霊廟を建て、遺体はそこで永久保存されるべきと主張した。
現在、ミイラとして保存されている指導者としては、北朝鮮の指導者であった金日成と金正日、20世紀初頭の中国の指導者孫文、中国共産党の指導者毛沢東とベトナムのホー・チ・ミンがいる。
レーニンの遺体の埋葬を求める呼びかけは、ソ連崩壊前のペレストロイカ期であった1980年代後半に増え、その論争は今日まで続いている。
昨年、文化大臣で与党「統一ロシア」のメンバーであるウラジミール・メディンスキー氏は、「激しい論争を呼び起こす政治家」であるレーニンは埋葬すべきだと述べていた。「私たちの国の中心のネクロポリスに、主人公として彼を置いておくのは実に馬鹿げた話だ」と彼は言った。
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