メトロ・ミュージアム

地下鉄で電車を待っている間、または待ち合わせをしている友人がなかなか来ない時など、何となくもたれかかっている壁に目を向けてはどうだろうか。良く見ると、壁板の表面には、数億年前の海底に沈んだ古代生物の甲羅や殻の化石がある。

地下鉄の円柱、壁、通路などには、化石が含まれる堆積岩や変成岩の石材がよく使われていて、中生代の温かい海に生息していた、珊瑚、海綿動物、アンモナイト、ベレムナイト、腕足類、腹足類、またその他の軟体動物が、当時の姿でそのまま残っている。すべての駅にあるというわけではないが、かがんだり、頭を高く上げて注意深く観察すれば、アンモナイトの殻のらせん状の模様や、ベレムナイトの矢のような姿を堪能できる。好奇心はきっと満たされるに違いない。

ドブルィニン駅

ワジム・カントル撮影

モスクワの地下鉄駅でもっとも華やかな化石のひとつが、オウムガイの殻だ。これは古生代から地球に生息している、頭足類の軟体動物である。オウムガイの化石は、オクチャーブリスカヤ駅(10月駅)方面へ向かう電車の1号車のあたりまで進み、膝の高さほどの壁面を見ると、堂々たるその姿が確認できる。この駅には、他の化石もある。

パールク・ポベードィ駅(勝利公園駅)

ワジム・カントル撮影

この駅は、ジュラ紀の大理石石灰石でできている。円柱や、2つのロビーの間の通路には、アンモナイト(頭足類の軟体動物)や、白い矢のように大理石にうめこまれているベレムナイトなどの大きな殻がたくさんある。ベレムナイトの殻は、「悪魔の指」という呼び名の方が知られている。

レーニン図書館駅

ワジム・カントル撮影

腹足類のらせん状の大きな殻を、ボロヴィーツカヤ駅と共用されているレーニン図書館駅通路の、階段上段右手の頭の高さのあたりに見ることができる。光の暗い場所だが、化石はとても目立つ。この化石のまわりにも、多数の小さな殻の化石を見ることができる。

ツヴェトノーイ・ブリヴァール駅~トルゥーブナヤ駅

ワジム・カントル撮影

ツヴェトノーイ・ブリヴァール駅からトルゥーブナヤ駅に通じる通路の階段を上がった後、ゆっくりと歩いてほしい。やや茶色がかったつやつやの壁面を見ると、さまざまな生き物の化石でうめつくされていることに気づくはずだ。これらは、かつて温かい海の底に生息していた、腕足類や腹足類の殻、珊瑚の枝、二枚貝軟体動物の殻の一部などだ。

イリイチ広場駅 

ワジム・カントル撮影

イリイチ広場駅の円柱は、赤大理石でつくられている。ほぼどの円柱でもオウムガイなどの頭足類、腹足類、または腕足類の軟体動物の殻を見つけることができる。また、より数は少ないものの、ベレムナイトやアンモナイトもある。

化石がある地下鉄駅 

アヴィアモトールナヤ駅
アレクサーンドロフスキー・サード駅(アレクサンドル庭園駅)
アレクセーエフスカヤ駅
アーンニノ駅
アルバート駅
アエロポルト駅(空港駅)
バーウマン駅
ベラルースカヤ・コリツェヴァーヤ駅(ベラルーシ環状線駅)
レーニン図書館駅
ブリヴァール・ドミートリヤ・ドンスコヴォ駅
VDNH駅
ヴィスタヴォチナヤ駅
ディナモ駅
ドブルィニン駅
ドストエフスキー駅
カホーフスカヤ駅
カシールスカヤ駅
キエフ駅
キーエフスカヤ・ラジアーリナヤ駅(キエフ放射状線駅)
コムソモーリスカヤ・コリツェヴァーヤ駅(コムソモール環状線駅)
コムソモーリスカヤ・ラジアーリナヤ駅(コムソモール放射状線駅)
クラスノプレースネンスカヤ駅
クラスノセーリスカヤ駅
クラースヌィエ・ヴォロータ駅
クルスク駅
クールスカヤ・コリツェヴァーヤ駅(クルスク環状線駅)
レーニンスキー・プロスペークト駅(レーニン大通り駅)
ルビャーンカ駅
マヤコフスキー駅
メンデレーエフ駅
オクチャーブリスカヤ・ラジアーリナヤ駅(10月放射状線駅)
パヴェレーツカヤ駅
パールク・ポベードィ駅(勝利公園駅)
パルチザン駅
ペルヴォマーイスカヤ駅
ペトローフスコ・ラズモーフスカヤ駅
イリイチ広場駅
プローシャジ・レヴォリューツィイ駅(革命広場駅)
ポリャーンカ駅
プロスペークト・ミーラ・コリツェヴァーヤ駅(平和公園環状線駅)
レチノーイ・ヴォグザール駅
スヴィーブロヴォ駅
スモレーンスカヤ駅
スレーテンスキー・ブリヴァール駅
タガーンスカヤ・コリツェヴァーヤ駅(タガーンスカヤ環状線駅)
タガーンスカヤ・ラジアーリナヤ駅(タガーンスカヤ放射状線駅)
トレチャコフ駅
トルゥーブナヤ駅
ツルゲーネフ駅
ウニヴェルシチェート駅(大学駅)
フルンゼ駅
ツヴェトノーイ・ブリヴァール駅
チェルターノフスカヤ駅
エレクトロザヴォーツカヤ駅(電気工場駅)

モスクワ・ニュース紙から転載

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