トゥーラ市のギネスブックの記録

トゥーラは一つの釜で865キログラムのオートミールを煮てギネスブックの記録を塗りかえた。これは去年スコットランドで樹立された記録を235キログラム上回るもの。

 トゥーラ市民は、中央広場の一つに設置された六メートルの三脚台に置かれた大釜の周りに集まった。大の男が六人はゆうに入る大釜からは湯気が立ち上り、下では火がぱちぱちと燃えていた。そしてついに世界最大のお粥が炊けた。伝統豊かなトゥーラが今年迎えた年齢と同じ865キログラムのオートミールだ。

トゥーラ市の歴史

 トゥーラは15世紀までずっと遊牧民族の来襲の脅威にさらされていたモスクワ公国の南端に位置しており、住民は町の防備に心を砕いていた。トゥーラで銃の製造が始まったのは、皇帝フョードル一世が地元の鍛冶職人に税を免除して官製の武器を造らせることにした1595年とみなされている。17世紀の初めには武器の生産が家内から工場へ移り、1712年にはピョートル一世の布令によりトゥーラに国内初の軍需工場が設けられた。この町は今日までロシアの軽火器生産の中心地の一つであり続けている。

 市民はこぞってお粥に舌鼓を打ち、大釜は数時間で空になったが、この催しの準備には数ヶ月が費やされた。作り方を決め、記録更新の手続きを精査し、適当な容器を探し、直径二メートル重さ70キロ以上の大釜が選ばれた。

 主催したトゥーラの会社『トゥーラ・プロドゥクト』に今回のトゥーラ風オートミールの作り方を訊ねると、同社の商務責任者ニコライ・コスティリョーフさんはこんな極秘レシピをそっと教えてくれた。784リットルの水を釜に注いで沸かし、オートミール129キロ、塩2キロ、砂糖8キロを加え、余計な水分がなくなるまで煮つめる。重量挙げの選手である二人の力持ちが二メートルもある櫂のような匙でかき回す。炊きあがったらお好みでジャムや蜂蜜やバターを添えていただく。

 この日ギネスのお粥を試食した3500人のトゥーラ市民の一人タチヤーナさんはこう話す。「とっても美味しいお粥ですね。私はバターとキウイフルーツのジャムでしたが、ほかのも食べてみたいわ」。

=キリル・ビチコフ撮影

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