モスクワは、ロシアの首都であるだけではない。アメリカの複数の都市、スコットランドとインドの村、カナダの集落、ベルギーとオランダの街、さらにベルギーのヘント市とフランスのトゥールーズの地区なども、同じ名前「モスクワ」だ。もっとも、ロシア語以外の言語では、この名前はしばしば「モスコウ」(Moscow)または「モスクー」(Moscou)のように発音されるが。
米国では、たとえばメイン州の都市のように、ロシアのモスクワに敬意を表して命名されたケースがある。しかし多くの場合、この名はインディアンのおかげで生まれた。インディアンの語彙には、音の似た言葉があるからだ。
また移民が「モスクワ」の名を持ち込むこともあった。ロシア人がそうすることもあったし(ペンシルベニア州のMoscow)、フランス人が命名したこともある(オハイオ州のMoscow)。彼らは、ナポレオンがロシア遠征(祖国戦争)で敗北したことを記念したのである。さらに、「モスクワ」は、1813~1814 年のロシア軍のヨーロッパ遠征(諸国民の戦い)の後で、欧州の地図にも現れた。
米国のヴォルガ市(サウスダコタ州)
Hunter Fergen/youtube.comさらにまた、世界地図上には、ロシアの地名と同音のそれがいくつかある。
ご存じヴォルガ川は、ロシアを流れる欧州最長の大河だ。「ヴォルガ」の地名は、米国(いくつかの都市や地区)とエチオピア(やはり川)の地図上にも見出せる。
スモレンスクは、ロシアの都市であるだけでなく、南極の海峡でもある。1820年1月28日、ファビアン・ゴットリープ・フォン・ベリングスハウゼン(ロシア帝国海軍バルト・ドイツ人士官)が率いる探検隊は、世界周航で南極大陸に接近し、発見した(*同時期にイギリスのブランスフィールド、アメリカのパーマー、ロシアのベリングスハウゼンの3人が、南極大陸を発見しており、誰が最初に発見したかは不明だ)。
探検隊は、ある島にスモレンスクと名を付けた(1812 年の祖国戦争〈ナポレオンのロシア遠征〉における「スモレンスクの戦い」を記念した)。しかし、後にリヴィングストン島という名が付いたため、ロシア名は海峡に「移行した」。
パリには地下鉄駅「スターリングラード」
최광모ヴォルゴグラードは、1961 年までスターリングラードと呼ばれ、この名で世界的に有名になった。これは、第二次世界大戦のターニングポイントである「スターリングラードの戦い」の後のことだ。ベルギー、フランス、イタリアの通りや広場は、この都市と戦いにちなんで名付けられた。 また、パリには地下鉄駅「スターリングラード」もある。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。