サハリンでの8月

Shutterstock/Legion Media撮影
 石油とガスが豊富に埋蔵されたロシア極東区域周辺の海域は、海洋生物に恵まれている。8月は、北太平洋西部個体群のコククジラやキタオットセイなどを観察し、水温の温かい湖や潟湖の近くにキャンプして、ウォータースポーツを満喫するのに最適だ。 サハリン(樺太)は、地理的にはモスクワよりも東京、北京や香港に近い距離にあるが、これらのアジアの近隣都市とは異なり、このロシアで最大の島は、今日に至るまでほとんど手つかずの自然に恵まれている。冬の間は頻繁な吹雪のために空港が何日にもわたって閉鎖されることで悪名高いが、この島は夏の季節なら、暖かい晴天の日も十分に楽しめる。

海洋生物


 夏は、3000万年前から生息していると考えられ、現在絶滅の危機に瀕している北太平洋西部個体群のコククジラの摂食時期にあたる。この鯨は長さが15メートル、体重40トンにおよぶこともあり、サハリン島の東岸で目にすることができる。その姿を目にするには、サハリンの近海でエビや小魚を補食するために移動して来る8月が最適の時期である。

 サハリンの東岸は、この島の州都であるユジノサハリンスクから自動車で短時間で行ける距離だ。クジラをどこでスポッティングすればいいかを案内してくれる最適なガイドは、この島で活動している環境NGOのスタッフだ。

 環境保護運動家は、アジア太平洋沿岸周辺には北太平洋西部個体群のコククジラが100頭しかいないと推測している。この巨大な哺乳動物は、冬季には繁殖のために東太平洋に戻っていく。

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 その他の海洋動物は簡単に目にすることができる。サハリン島の南端のすぐ東側には、オットセイの繁殖地となっているユニークな小さな島がある。テュレーニ(オットセイ)島は、長さが1.6キロ、幅19メートルで、多数のオットセイと鳥の生息地となっている。このオットセイの繁殖地は、ロシア全土の中でも傑出した自然を誇る場所の一つである。島の近くに生息するキタオットセイはサハリン東海岸でも目にすることができ、海洋動物の中でもきわめて社交的な動物の一種だ。漁船に接近してくることも頻繁にある。

 ここでは、オットセイが去った後のスペースを多種の海鳥が占めている。夏の季節には、ウミガラス、ミツユビカモメ、エトロフウミスズメ、シベリア・ノゴマ、トウネンやキビタキなどを見つけることができる。ユジノサハリンスクの旅行会社がこの島への日帰り旅行を提供している。

 

温かい湖

Shutterstock/Legion-Media撮影

 948キロの長さのこの島には1万6000の湖が各所にある。泳ぐのに適した水温になっているのはサハリン南部にある湖と潟湖だけである。

 ユジノサハリンスクからおよそ30キロ離れた所にあるトゥナイチャ湖は山々に囲まれており、州都の近くに数多くある落ち着いた場所の一つである。トゥナイチャ湖に平行して隣接し、オホーツク海から細い土地によって分かれているのはイズメンチヴォエ湖だ。地元住民は、この湖の周辺の土地にはミネラルが含まれていると信じているため、ダーチャの肥料用に土を採収して行くことがよくある。

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 サハリン南部には、漁師の間で人気の複数の湖や潟湖がある。その一つは潟湖のブッセで、ホタテ貝で有名だ。ブッセは世界最大のガス液加工場から自動車で1時間のところにある。夏になると、チョープロエ・オゼロ(温かい湖)とよばれるサハリン南部の一連の湖が、格好なキャンピングやスイミングの場所になる。

 ソ連の歴史に興味があるなら、旧ソ連で最大級だった漁業コルホーズに足を運んでみるといいだろう。コルサコフ町近くのキーロフ・コルホーズは1959年5月に設立され、現在でも操業中だ。  15の漁業共同組合によって形成されたキロフは、ソ連の崩壊後まで生き延びた数少ない集団漁業組合の一つである。ここではサケ、スケトウダラ、タラ、ヒラメやニシンを購入することができる。

 サハリンはシーフードで有名で、地元の料理は水産物の豊富さを反映している。多くの店ではエビ、イカやカニの入ったサラダを販売しており、市場ではカキ、ホタテ、カニやその他の種類の魚を簡単に入手することができる。 

 

ウォータースポーツ

ヴラジーミル・フェドレンコ撮影/ロシア通信

 温かい水温の湖は、ウィンドサーファーで週末に賑わう。天候が予測できないこともたまにはあるが、最適な時期は8月と9月だ。ブッセはカヤックやカヌーの人気スポットでもある。ダイビングスーツに身を包んだ漁師が湖の中心部分までカヌーを漕いでいき、ホタテ貝を捕まえる。

 最近はウォータースキーヤーにより、大きめの湖の平穏さが失われてしまうという苦情が出ている。これは、石油とガスのブームによって地元にもたらされた莫大な富の結果である。

 ダイビングなら、サハリン島の南端部に向かうといい。8月と9月には、北海道の北にある亜庭湾の水は、泳げるほど温かくなる。より大胆な訪問者は、サハリンから、日本によって1939年に建設された亜庭湾の灯台まで泳ぐ。この湾ではホホジロザメが目撃されることがたまにあるため、スイマーは注意する必要がある。

 サハリンの温かい天候はロシアのほとんどの地域よりも長期間続くため、初秋まで夏を楽しむのに最適な場所だ。 

 

移動手段:
飛行機


 ユジノサハリンスク・モスクワ間では1日3便、ハバロフスク、ウラジオストク間では複数便が運航されている。サハリンの住民は、アジアや他のロシア国内の都市に旅行するのにウラジオストクをハブ空港として利用している。韓国、日本および中国の都市からユジノサハリンスク行きの直行便が運航されている。

フェリー
 5月から10月の間には、北海道の稚内からサハリンのコルサコフまで毎日フェリーが運航されている。サハリン南東からハバロフスク地方のワニノへのフェリーサービスは、1年中毎日運航されている。旅行者は、ワニノでバイカル・アムール線およびシベリア横断鉄道に乗り換えることができる。