UAE機墜落原因は乗員の対立か

セルゲイ・ピヴォヴァロフ/ロシア通信
 ロシア南部で「フライドバイ」社のボーイング737-800型機が墜落したのは、復航態勢に入り、上昇した際、パイロットの間で対立が起きたことが原因になった可能性がある。

 ロシアの専門家は、737-800型機のブラックボックスを解析し、事故の大方の状況をつかむことができた。コメルサント紙によると、パイロットのミスが主な事故原因として浮上している。

 アラブ首長国連邦(UAE)の格安航空会社フライドバイのボーイング737-800型旅客機は3月19日、天候不良により、目的地の「ロストフ・ナ・ドヌ空港」になかなか着陸できず、上空での旋回を余儀なくされた。2度目の着陸の試み(1度目、2度目のどちらも自動操縦)もうまくいかず、再び上昇した。

 コメルサント紙によると、突風がふき、さらに風向きがひんぱんに変わったため、航空機を昇降司令通りに制御するオートスロットルの動きが悪くなったという。これを受けて、機長は手動操縦に切り替えることを決定した。

 ブラックボックスによると、滑走路から6キロ、高度270メートルで、パイロットの1人がTOGA(離陸・復航)スイッチを押した。これは復航のために航空機の上昇指示をシステムに送るもの。この後、パイロットの1人が手動操縦に切り替えた。

 事故調査によると、着陸から上昇に移った際に、パイロットがミスをした可能性があるという。自動では復航の際に、システムがすべての舵を同時かつ緩やかに変える。だが手動に切り替わっていたため、パイロットの1人が操縦桿を急に手前に引いた。これにより、機体は急上昇。限界上昇角度に達すると、速度が急激に低下し始め、そしてパイロットの間で意見の対立が起こった。

 コメルサント紙によると、操縦していたパイロットが上昇の際に、エンジンの動作モードを離陸レベルまで高めながら、速度を上げようとした。だがもう1人のパイロットは、まずは機首を下げる必要があると考えた。この時、後者が前者に「待てよ、どっち行くんだ?やめろ!やめろ」と叫んだ。そして同時に、操縦桿を奥に押し、上昇を止めようとした。専門家によると、それぞれの操縦桿が反対の動きをしたことで、制御に異常をきたし、急降下したのだという。パイロットの意見が調整できたのは、時速325キロ、降下角度約45度になっていた時。時すでに遅しで、着地まで2人とも恐怖のあまりに叫ぶことしかできなかった。

 コメルサント紙によると、今のところ、パイロットのどちらが致命的なミスをおかし、どちらが修正したのかは判断できていない。2人の声調とイントネーションは似ているという。声を判断するために、パイロットの親戚に協力を求める可能性もある。

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