クリミアに新天地を求めてPart 1

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ライキー社のクリエイティブディレクター

  クリミアはここ100年で、ソ連、次にウクライナ、次にロシアの一部になったが、この半島がどこに属しているかにかかわらず、ロシア人にとってはずっと、大好きな休暇の地になり続けてきた。海、山、温暖な気候...クリミアは従来から、登山、ダイビング、釣り、アウトドアの愛好家を魅了してきた。2014年3月にロシアに編入されると、新たな層もここにやってくるようになった。ロシア「本土」の大都市の喧騒から離れて、自由でのんびりとした暮らしを求めるダウンシフターたちだ。インドのゴアやタイといった都会っ子の定番リゾートではなく、クリミアを選んでいる。いったいどんな人たちなのだろうか。新天地に何を期待しているのだろうか。クリミアの住民投票から2年目を迎え、大都市とステータスの高い職業よりもクリミアの新生活を選んだ人々の話を、ロシアNOWが特集する。

エヴゲニー・チェルニャホフスキーの家族=写真は個人所蔵

エヴゲニー・チェルニャホフスキーさん(29)、「ライキー」社クリエイティブ・ディレクター

 2015年、サンクトペテルブルクからセヴァストポリに移住

 

いざクリミアに

 私と妻は2013年、オフィスの高収入の仕事を辞め、10ヶ月の息子を連れて、長旅に出た。15ヶ国をめぐり、サンクトペテルブルク市に戻ってきた。さて、今後どうするか。どこに暮らして、何をして、どのような道に進もうか。

 クリミアは理想的な土地であることがわかった。自分たちのニューメディアとITの分野の知識、そして伝統も気質も違う街の仕事の経験を活かすことができた。友だちはこの選択に驚いていたが、やめろとは言わなかった。事前にスカウトを現地調査に送り、市場を分析し、有望な業種を選んで、出発した。

 2015年にクリミア半島に引っ越したが、地球上で最も自由な場所に来たんだと、長く実感することができた。人々は当時、自分の権利を主張し、守ることができることへの喜びに満ちていた。古い生活様式におさらばし、新しい秩序、資金の流れ、自分たちの経営陣が生まれた。

 

現実の生活



 クリミアは比類なき地域、IT分野の未開拓地。私たちは業務を主要5分野に絞り込んだ。具体的には、ナビゲーション(地元のモバイルガイド「クリムライン」を開発)、公衆Wi-Fiネットワーク(「クリムWIFI」プロジェクト)、タクシー・アグリゲータ(「ブロタクシー」)、広告メディア・ネットワーク、「クリモライン・ビジネス」プロジェクトのホリデーシーズン事業の所有者の育成。

 私たちは起業家の第2波だったため、それほど大変ではなかった。クリミアがロシアに編入された後、大手企業はすぐに参入せず、むしろ経済制裁によって撤退していた。零細企業は持続できなかったか、または国が変わったことで問題が多数発生し、撤退していた。

 これは驚きではない。クリミアでは、「グーグル」は機能しなくなり、「ビザ」カードはまったく使えなくなった。地図データのサプライヤーは私たちがウクライナにいるのだと頑なにくりかえしていた。国家機関は私たちが情報を求めると、まるで宇宙人を見つめるかのような目をしていた。

 その後、クリミアは停電した(2015年11月、ウクライナのヘルソン州で、クリミアへの送電線の支柱が損傷を受けたことから、島の大部分が停電し、地元の行政府は非常事態を宣言した)。私たちは運が良かった。マンションは市の大病院と同じ電線を使っていたため、照明もインターネットも止まらなかった。そのため、ここがコワーキングのスペースへと変わった。建物の中はどこも「アイマック」と「マックブック」ばかりで、座る場所もないほどだった。夜は夕食、そして遅くまでゲーム。これらはすべて危機的状況でIT事業を構築する経験だ。

 ここを「約束の地」とは呼びたくない。ここは何年分もの問題がたまっている地域だが、問題はかなり効果的に解決されている。照明の問題はあり得ない効率で解決されたし、3Gさらには4Gも、島内の主要な観光の街すべてに登場し、道路建設が進み、インフラに投資が行われている。

 ロシアに対する幻想など抱いていないが、十分に独立し、十分に自由な国に暮らせている。商業広告も、「ロシアは可能性の国」であることを感じさせてくれる。

 

今後の計画

写真は個人所蔵

 会社の計画はかなり野心的。行政、企業、消費者の相互活動の統一プラットフォームをここでつくり、旅行ツアー全体の企画を支援し、ロシア人旅行者や外国人旅行者の渡航目的地としての人気を高めていく。

 個人の計画はかなりシンプル。老いたら仕事を辞めて、妻は粘土細工をし、私はその色付けをする。満月の日はワインを飲み、美しい白いドレスを着てダンスをする。そんな感じになるんじゃないかな。