極東の第二次世界大戦の跡

 島内にあった軍事技術設備=写真は全ロシア社会運動「ロシア調査会」および沿海地域青年社会組織「調査合同体『アヴィアポイスク』」提供

島内にあった軍事技術設備=写真は全ロシア社会運動「ロシア調査会」および沿海地域青年社会組織「調査合同体『アヴィアポイスク』」提供

ロシア連邦国防省軍事・歴史調査団は、クリル諸島北端のシュムシュ島(占守島)で、第二次世界大戦中に死亡したソ連兵と日本兵の遺骨を発見した。

 ロシア連邦国防省軍事・歴史調査団には、ヴォログダ、カザン、サハリンなどから来た専門家を含む、ロシア地理学会および全ロシア社会運動「ロシア調査会」の専門家が参加した。調査の責任者は、ロシア連邦国防省・祖国防衛時死者記憶永久化管理局のアンドレイ・タラノフ局長。

 「ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)」紙の取材に対し、国防省が説明したところによると、発見されたのはソ連兵の遺骨10柱と日本兵の遺骨6柱。ソ連兵の遺骨は軍葬の礼をもって葬られ、日本兵の遺骨は在ユジノサハリンスク日本国総領事館を通じて、日本側に引き渡される。

 飯盒、水筒、ブーツのイニシャルで名前が明らかになった3人のソ連兵の遺骨は、北クリル地区行政機関に渡された。

 新軍刀

 「ロシア調査会」サハリン地域部のアルチョム・バンドゥラ部長は、サハリン州対外関係省が日本側に遺骨発見について報告したと話した。日本政府からは、自国の専門家グループのロシア到着日について、連絡が来るという。

 バンドゥラ部長によると、日本兵の遺骨はすでに個別のダンボール箱に納められており、それぞれに発見場所が記されているという。日本側に引き渡された後、DNA鑑定が行われる予定。

 サハリンで日本兵の遺骨の火葬式が行われる予定。発見されたうちの2人には、認識票がついていたため、データ照合と身元判定が行われる。また遺骨には、鏡、三八式歩兵銃の弾薬盒、小銭の入った財布、せっけん入れ、鉛筆、新軍刀などの軍備品や私物もついていたという。刀身から、遺骨が日本軍の軍曹のものである可能性があると、専門家は話す。

 調査の際にはシュムシュ島に長期間置かれていた軍事技術設備も集められ、ロシア本土に送られた。それは日本軍の水陸両用戦車「カミ」、アメリカの戦闘機「キングコブラ」、島内で使われてた日本の狭軌鉄道用のディーゼル機関車2両。戦闘機はソ連のパイロットが使用していたもの。発見された軍事技術設備は修復し、完全に復元することが可能だという。将来的には地元博物館に所蔵される予定。

 

写真は全ロシア社会運動「ロシア調査会」および沿海地域青年社会組織「調査合同体『アヴィアポイスク』」提供

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