教育省のヴェニアミン・カガノフ次官=ニコライ・コロリョフ撮影
-外国人留学生がロシアを学習の場として選ぶ理由とはなんでしょうか。
理由はさまざまですが、恐らく、外国では若いうちから自分のキャリアについて考え、将来的に求められるものを理解している学生が多いということなのでしょう。ロシア語を習得すると、労働市場で追加的な競争優位性を得ることができます。ロシアとその学生の国の協力関係が発展すれば、必要性は高まります。また、ロシア語には科学と文化の言語としての要素もあります。
ロシアの大学で学び、ロシア語を習得し、友人をつくり、得た資格を生かしながらキャリアを構築している人は、潜在的なロシアのパートナーです。ロシアとはどのような国なのか、どのような人間が暮らし、働いているのかを理解できる人です。
-外国人受け入れを積極的に行っている大学はどこですか。
・毎年平均740人の日本人がロシアの大学に留学
・うち84.5%が短期留学(1年以下)
・ロシア語以外に日本人留学生に人気のある専門は音楽、文化、芸術
報告「ロシアの大学の外国人留学生」(社会学研究センター、ロシア連邦教育・科学省、2014年)より
交換留学生プログラムに積極的に参加しているのは、モスクワ国立大学付属アジア・アフリカ諸国大学、モスクワ国立国際関係大学、モスクワ国立言語大学、また多くの分野で外国人学生と協力しているロシア民族友好大学、サンクトペテルブルク国立大学、極東連邦大学(バイオテクノロジー、医療)、カザン連邦大学(工学)、北東連邦大学、ブリヤート国立大学などです。
工学、数学、医学を学ぶためにロシアに来る価値もあると思います。工学であればモスクワ物理工科大学、バウマン・モスクワ工科大学、サンクトペテルブルク国立鉱山大学、モスクワ国立鉄鋼合金大学、ノボシビルスク国立大学、またサンクトペテルブルク国立大学と教育の質で上位を争うモスクワ国立大学ですね。極東連邦大学は地理的にアジアの学生にとって便利な場所にあるので、勢いづいています。多くの外国人が工学や革新で有名なトムスクの大学で学んでいます。
-現在はどのような交換留学プログラムに人気がありますか。
特に人気なのが二重学位プログラムです。学生がロシアの大学と他の国の大学で同時に学ぶことのできるものです。この時、一般課程は加算されるので、新しい学生はロシアの大学、他の国の大学のどちらでも学ぶことができます。
-ロシアと欧米の関係が冷え込んだことは、国際的な教育プログラムに影響をおよぼしましたか。
ほとんど教育分野には影響をおよぼしていません。ただ、提携を内密にしてほしいと言ってきた外国の関係者はいます。この不条理が終わり、普通に活動を続けられる時が訪れると、誰もが理解しています。
-ロシアならではの教育システムの特徴、また教育分野における独自の革新はありますか。
たくさんあります。例えば、ソ連時代から発達してきた追加的教育システムに関連するものすべてです。知識と技能だけでなく、自己実現や個々の発展プログラムの選択を可能にします。これはまったく異なるモチベーション、異なるレベルの自己実現です。
ロシアの総合教育のレベルはとても高いですし、初等教育の国際試験の結果でも目立っています。国際読解力調査(PIRLS)という試験があり、香港、シンガポール、フィンランドとともに上位4位以内に入っています。
大学については、自然科学分野、特に物理学、数学、工学で優れた専門家を育てた実績があります。芸術分野の教育の質も高く、世界で高く評価されています。
-ロシア語の遠隔教育プログラムや学位取得についてですが、世界でロシア語を話す人は増えそうですか。
どの国も自国の言語を推進しなければなりません。これは国家の利益の範疇です。長期間にわたり、ロシア語の普及や、そのための遠隔教育、公開教育、その他新たな知識を与え、ロシア語学習へのモチベーションを高めるような行事の実施に注力していませんでした。
9月1日からは、プーシキン・ロシア語大学を基盤とした新たなプロジェクトを始めています。ロシアの一流大学のほぼすべてを含む、さまざまな機関がこれに参加しています。新しい技術および我々が考案した教育方法によって、ロシア語を習得しやすくなり、遠隔教育でロシア語の学位を取得できると考えています。
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