新たな通信社は、既存の新聞社「ロシア通信」とラジオ局「ロシアの声」の合併によって創設される=ラミリ・シトディコフ撮影/ロシア通信
ロシア通信を解散させ、これを基盤に新たな通信社「ロシヤ・セヴォドニャ(ロシア・トゥデイ)」を創設する大統領令に、ウラジーミル・プーチン大統領が署名を行ったことが、12月9日に明らかになった。新通信社の社長に就任するのは、2008年から「全ロシア国営テレビ・ラジオ放送会社」の副社長を務めていた、元テレビ司会者のドミトリー・キセリョフ氏。
セルゲイ・イワノフ大統領府長官によると、国営マスメディアの再編の目的は、その効率を高め、支出を減らすことだという。
ロシアにはすでに「RT(ロシア・トゥデイ)」という同じ名称のテレビ局が存在するが、それをどのように調整していくかは、今のところ不明。RTも海外向けに英語、スペイン語、アラビア語で情報を発信している。大統領令には、RTとの正式な合併に関する文言はない。
ロシア連邦社会会議のメンバーで、テレビ司会者であるニコライ・スヴァニゼ氏は、政府が海外でのロシアのイメージ展開に関心を持っていること、今回の決定が一石二鳥になることを話した。「政府は現在、外交政策と海外でのアピールに注力しているから、RTのような会社の設立を決めた」。ロシア通信の幹部はプロの集団だったが、コントロールしにくかったため、心機一転させようとしていると、スヴァニゼ氏は考えている。
経済高等学院一般政治学講座主任であるレオニード・ポリャコフ教授は、今回の決定のタイミングが良かったと話す。「国際社会にロシアについての情報を伝えるのは、重要な課題の一つ。世界は今グローバル化し、政治的にも経済的にも、国のイメージが多くを左右する。自分たちで自国のイメージづくりをしなかったら、他国がそれをしてしまい、手に負えなくなる。ロシア通信は、海外のマスメディアが現在支配している地域に情報を発信すべきだが、競争をするのではなく、ただロシアについて語り、国のイメージづくりを図り、毎日の議題を提案すればいい」。
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