ダムは決壊できなかった大暴風「聖ユダ(セントジュード)」

=ロイター通信撮影

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ペテルブルグは、欧州で少なくとも13人の命を奪い、イギリス、フランス、オランダで交通を麻痺させた、大暴風に見舞われた。「聖ユダ」と呼ばれるこの暴風は、ロシアへ向かう途中で勢力を弱めたものの、ペテルブルグとレニングラード州の住民に被害をもたらした。

 風速は25~28メートル、フィンランド湾とラドガ湖の波の高さは5メートルに達し、非常事態省の地域支部では、町を守るダムを閉じる決定が採られ、前日にはネヴァ川の水位が2メートル上昇しうると予想されたが、実際には80センチメートルに留まった。

 現在、ロシア非常事態省・レニングラード州管理局は、すでに被害状況を調査しており、「北西地域では、レニングラード州のキンギセップスキー、スランツェフスキー、ルジスキー、ヴォロソフスキーの各地区の237居住地で停電が起こった。それらの居住区には、約1万1500人が暮らしている」と発表した。

 サンクトペテルブルグでは、とくべつ甚大な被害はもたらされていない。クラスノグウセァルジェイスキー地区のカフェの夏のヴェランダが破壊され、数本の樹木が倒れ、市の北部では、送電線が切れてトロリーバスが動かなくなった。この町に住むナジェージダさんという女性は、こう語る。「べつに普段と変りありませんよ。道路の修理、灰色の空、そして、雨…、まあ、たしかに風は強いですけれど…」。

 カトリック教会暦で聖ユダ・ダダイの日にあたる10月28日に発生したことから「聖ユダ」と名づけられたこの暴風は、フランスとイギリスを襲い、数万世帯に停電をもたらし、航空と鉄道の運行に影響を及ぼした。ドイツとオランダも、暴風による被害を受けた。「聖ユダ」による犠牲者の数は、少なくとも13人に上っている。暴風は、10月29日にかけての未明にはラトヴィアへ移動し、そこでもいくつかの居住地に停電をもたらしたのち、ロシアへ向かった。

 北西・水文気象学・環境モニタリング局のユーリイ・マラーシン長官は、こう語る。「暴風『聖ユダ』の速度は、超弩級というわけではまったくなく、もっと強い暴風も、これまでにありました。サンクトペテルブルグの状況について申しますと、私たちは、金曜日には予報を出し、それに基づいてダムが閉じられることになりました。ネヴァ河の水位は、危険ではない200センチメートルほど、市内の水位は、ダムの閉門後、80センチメートルほど上昇する可能性があります。ここでは、危険な水位は、120センチメートルです。サンクトペテルブルグでは、最近では2011年の12月26日から29日にかけて洪水が発生し、その際には、河の水位が、240センチメートルに達しました。『聖ユダ』がこの町に被害をもたらすおそれがあるとすれば、それは突風で、これにより、樹木が倒れ、停電が起こる可能性がありますが、町が洪水に見舞われることはまずないでしょう」。

 

元記事(露語)