有害サイトと自殺の因果関係

Alamy/Legion Media撮影

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自殺の手段を説明したり、自殺を呼びかけたりしているロシアのインターネット上のサイトが、1年弱で約2500サイト閉鎖された。このようなサイトの情報は、人間がすべての悲劇に興味を持つ心理的特性を利用した、セクトの原則にもとづいていると、専門家は話す。

 ロシア連邦消費者権利擁護・福祉分野監督庁は、自殺のプロセスに関する詳細な記述つきの自殺手段紹介サイト2414サイトに、閉鎖決定を行った。禁止情報が含まれた2117サイトは閉鎖され、251サイトは現在対応段階にある。137サイトについては、自殺に関するコンテンツが認められなかったと、「モスコフスキー・コムソモレツ」紙は伝えている。

 昨年11月1日から現在までの期間で、監督庁のホットラインには2551件の通報があった。

 

日本の漫画も禁止サイトのリストに

通信・情報技術・マスコミ分野監督局は、29の日本の漫画を、禁止された情報を含むインターネット・リソースのブラック・リストに追加。ただしこれは自殺ではなく、ポルノ。「イズベスチヤ」紙の報道によれば、紙および3Dの29の日本の漫画が、児童ポルノと判断された。
通信・情報技術・マスコミ分野監督局は調査を行い、これらの漫画がセックスへの関心を高め、内容に文化・歴史的価値がなく、ポルノのシーンに登場する主人公の絵が明らかに未成年者であるとの結論に達した。「専門家は絵を見て、どのような登場人物が描かれているかを判断する。学校の制服を着ていたら、子供 であることがわかる」と、安全インターネット連盟のデニス・ダヴィドフ理事は述べた。

連邦法「児童の健康および発達に有害な情報からの保護について」 

 このような禁止情報は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「フコンタクチェ」、メール・サービス「メール・ル」、ブログ作成サイト「ライブジャーナル」の他、検索サイト「グーグル」、動画サイト「ユーチューブ」、検索サイト「ヤンデックス」の動画ホスティングなどに現れることが多い。

 もっとも多く流れている禁止情報の種類は、自殺のプロセスに関する詳細な記述のついた、さまざまな自殺手段の情報だ。

 このようなサイトを閉鎖できるようになったのは、ロシア連邦法「児童の健康および発達に有害な情報からの保護について」が昨年11月に施行されたため。 この法律では禁止サイトのリストの作成が定められており、児童ポルノ、麻薬のプロパガンダ、自殺のプロパガンダを含むウェブ資源が掲載されるようになっている。このリストを担当しているのが、連邦消費者権利擁護・福祉分野監督庁、連邦麻薬流通監督庁、連邦通信・情報技術・マスコミ分野監督局。

 

「ハイリスク・グループは家庭問題と恋愛に悩む青少年」 

 犯罪精神医学者のミハイル・ヴィノグラドフ氏は、「自殺呼びかけ」カテゴリーには、悪いサイトと冗談サイトが属すると説明する。「ロシアの法律では、明るいものも暗いものも同じように削除される。エロスとポルノの差もあまりない。したがって冗談が役人に通じない可能性もある」。

 ヴィノグラドフ氏はまた、ロシアの青少年の間でここ数年、自殺件数が増加していることをあげ、このようなサイトの情報に影響を受けている可能性を指摘する。「インターネットには、若者を筆頭とした人々の精神状態に影響を及ぼす、たくさんの破壊的なサイトが存在する。人格を退廃させ、悪い行いへと導く。ロシアでこういったサイトを支持している人たちは、金儲けしたいがためにやっていると確信している。しかしながらこのような結果が誰に、何のために必要かということは、警察が考えなければならない。まず『ハイリスク・グループ』にあげられるのは、家庭環境に問題のある青少年と恋愛に悩む青少年」。

 

自殺立会人 

 警察がこのようなサイトを閉鎖しているにもかかわらず、サイトは作られ続けているという。青少年が建物から飛び降りる際に、建物の屋上まで同行する役割 の人間もいるのだという。「最近このような男が2人逮捕された。1人は2人の少年が屋上から飛び降りようとしていた時に、屋上に座っていた。2人が飛び降りた後、その男は出口に向かって走り去った。逮捕された時、自分も同じように自殺するつもりだったが、怖くなったと話した。そのように主張されると、立件しにくくなる。同じような状況で、1人の男が住人によって捕まえられたケースがある。その男も、2人の少女が飛び降りたバルコニーで一緒だったと説明した」。

 ヴィノグラドフ氏は、このような現象の対策は難しいと話す。人々はすべての悲劇に、常に関心を持つからだ。「自動車事故が起こっても、すぐに野次馬が集まってくる」。