冠水つづくロシア極東

写真提供:Vostok Photo

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極東における洪水の状況は、悪化の一途をたどっている。アムール州当局は、大がかりな住民避難の必要性を認めた。

 同地域の二基の大型水力発電所は、結果として多くの居住地点が冠水しかねない事故防止用の放水を開始した。

 

ハバロフスクなど大都市も浸水の恐れ 

 小都市ばかりでなく、ハバロフスクやコムソモリスク・ナ・アムーレをはじめとする大都市も浸水するおそれがある。

 木曜日の晩おそく、アムール州のオレグ・コジェミャーコ知事は、同地域における洪水の状況は困難を極める水準に達したと声明し、次のように述べた。

 「最悪の事態に備える必要があります。ブレヤー水力発電所からの放水が開始されたことで状況は深刻化し、ブレヤー河畔およびアムール河下流域の一連の村が浸水しかねず、大がかりな住民避難に踏み切ることが必要です」。

 自然災害による損失は算定されていないが、洪水によって貨物輸送が停止し石油輸送ターミナルが冠水したことから、当局は、莫大な損失が出るものとみなしている。

 また、極東における中国との国境通過地点の閉鎖に関連し、中国からの輸入品や野菜の値上がりも予想される。

 

事故防止用の放水

 「ルスギドロ」社(ブレヤーおよびゼーヤの両水力発電所を所有する企業)には、ダムが破損したり水が溢れたりするのを防ぐために、貯水池から水を放出することが許可された。

 水力発電所の運用ルールによれば、一定の水位(ゼーヤでは319,2メートル)に達した場合には、すべての開閉装置を開けねばならない。

 これは、毎秒7500立方メートルの放水を意味し、非常事態省のシュミレーションによれば、およそ24万人が暮らす30の居住地点の冠水をもたらす。

 現在おこなわれている一定量ごとの放水(連日放水量は毎秒500立方メートル増えつつある)であれ、浸水は免れず、ブレヤー水力発電所からアムール河への放水によりすでに二つの村が浸水した。

 木曜日、ウラジーミル・プーチン大統領の委任に基づき、アレクサンドル・ノヴァク・エネルギー相と公開株式会社「ルスギドロ」のエヴゲーニイ・ドード会長が、同水力発電所の活動をコントロールすべく、空路でブラゴヴェーシチェンスクへ向かった。

 

莫大な損失

 アムール州では7月末にモンスーン性の豪雨が降りはじめ、アムール河の主な支流であるゼーヤ川を含む地元の河川で水位が急激に上昇した。

 ヤクーチヤ(サハ共和国)、沿海地方、ハバロフスク地方、アムール州、ユダヤ自治州では、非常事態体制が敷かれた。

 ヴィクトル・イシャーエフ極東発展相は、四つの地域(アムール州、ユダヤ自治州、ハバロフスク地方、沿海地方)の経済にもたらされた損失は莫大であるとし、アムール州当局だけでも、その額は30億ルーブル(約90億円)にのぼるものとみなしている。

 国境を接する中国でも豪雨により状況が深刻化しつつあり、すでに32の河川で水位が上昇している。

 アムール河では、ザバイカル地方における豪雨によってもたらされた「波」が進行中で、5日から7日を経て、この「大水」がブラゴヴェシチェンスクに達するものとみられる。

 

アムール川の貨物輸送も麻痺 

 非常事態省は、コムソモリスク・ナ・アムーレ市、ニコラエフスク・ナ・アムーレ市、ニコラエフスク、ナナイ、アムール、コムソモリスク、ウリチの各地区に、浸水のおそれがあるとしている。

 洪水は、地元の経済にも深刻な影響を及ぼしており、アムール河の水位の上昇により、貨物輸送量が大幅に減少した。黒河、同江、撫遠といった中国の都市の貨物輸送ターミナルが冠水した。

 ハバロフスクで積み出し地点が浸水したことにより、アムール河の石油輸送船団の活動も停止された。石油会社「アリヤンス」のアンドレイ・ルミャーンツェフ氏は、「コメルサント」に対し、ハバロフスクの同社の輸送ターミナルは活動していないと述べた。

 

*元記事(露語)