モスクワ市警が自転車に乗り換え

モスクワ市南西部では6月に入ってから、特別な自転車部隊が活動を始めている =タス通信撮影

モスクワ市南西部では6月に入ってから、特別な自転車部隊が活動を始めている =タス通信撮影

モスクワ市政府が積極的に推進している街の”自転車化”が今夏、市の警察にも及んだ。モスクワ市南西部では6月に入ってから、特別な自転車部隊が活動を始めている。ただ自転車の使用は今のところ、ビッツァ森林公園内のパトロールに限られており、近い将来、市内の他の公園や、自動車の進入が禁止されている場所にも活動範囲が広げられていく。

 モスクワでは6月1日から、市政府とモスクワ銀行の共同プロジェクト「ヴェロバイク」も始まり、市内各所に設置された駐輪場で自転車をレンタルできるようになった。ただ、2週間ですでに自転車8台が盗まれ、20台が壊れ、さらに利用者はレンタル料の支払いの複雑さ(特別なウェブサイトでクレジット・カー ドの登録をしなければならない)に不満を訴えているが・・・。このような街の”自転車化”に、警察も参加しているわけだ。

 

かつては徒歩巡視の隙をつき連続殺人も 

 内務省ビッツァ森林公園巡視警察部社会秩序維持警察課のドミトリー・ラゾレンコ課長はこう話す。「自転車に乗った警察は動きやすくなるし、現場にかけつ ける時間も大幅に短縮される。そうなると潜在的な違反者は、簡単に犯罪行為をしないようになるから、公園内で休んでいる人たちは、よりリラックスできるようになるだろう。警察官にとっても良いことだ。常に体が鍛えられる」。

 自転車警官の装備は、拳銃、懐中電灯、無線、手錠など、特に他と変わらない。

 かつて長期に渡ってビッツァ森林公園で48人を殺害したアレクサンドル・ピチュシキンという連続殺人犯がいたが(2007年に最高刑である無期懲役刑が下された)、これは警察が公園内で徒歩巡視しか行っていなかったことをうまく利用した犯行だった。

 ビッツァ森林公園は、モスクワ南西部を流れるビッツァ川周辺の森林公園で、同市で2番めの大きさだ。

 

自転車とバイクの使い分け 

 内務局南西行政管区部には今のところ、自転車8台が装備されているのみだ。同管区部の広報責任者であるユーリア・アノソワ氏はこう話す。「自転車は近々、 警察の他の巡視部門にも供給する。自動車の乗り入れが禁止されているような他の公園区域、小公園、施設付属の庭園などでも、自転車パトロールが行われるよ うになる」。警官が自転車に乗るのは市の南西部に限られないという。「内務省モスクワ市総局はすでに、モスクワ市全域についても話をしている」。

 モスクワ市総局はこう説明する。「ツァリツィノ公園では警官がオートバイで巡視するようになったが、ビッツァ森林公園では自転車の方が仕事しやすい」。