モスクワ市民がボストンの被害者に献花

ヴラジーミル・スタヘエフ撮影

ヴラジーミル・スタヘエフ撮影

ボストン・マラソンでの2つの爆弾によるテロに対し、ロシアは深い哀悼の意を表している。在モスクワ米国大使館には、花束を手に多くの一般市民が集まっている。

 在モスクワの米国大使館前には、花束があちこちに供えられている。米国市民のための情報提供コーナーに掲示されたポスターには、「モスクワの青年は米国人と痛みを分かち合う」と書かれている。傍のロウソクには火が灯されている。

 同時に、先日のボストン・マラソンでのテロ攻撃の犠牲になったアメリカ市民との連帯感を示そうと大使館に集まり、献花していくモスクワ市民の波は絶えない。

 「この悲惨な出来事を耳にしたとたん、米国大使館に献花しに来ました」と話すのは、年金受給者のアリーナ・シローティンスカヤさんだ。「私はこのような悲劇が起きると、市民の集まりに参加することがよくあります。2年前にモスクワ地下鉄で起きた爆破テロの時も、犠牲者の追悼に参加しましたし、今日も大使館に来ずにはいられませんでした。ボストンには友人もいるんです」。

アンナさん(34歳)とアレクサンドルさん(47歳)夫婦は、この世界はひとつで、世界の反対側で起きた悲惨な出来事は決して対岸の火事ではないと言う。 

 

 「政治を持ち出す必要はない」  

 「[テロ行為で死傷した]人々と痛みを分かち合うのに、政治や「テロに対する共闘」などのスローガンを持ち出す必要はありません」とアレクサンドルさんは言う。「あまり空想力を働かせなくても、犠牲者やその家族たちがどんな苦痛に遭っているのかは、想像するに難くないでしょう。これはどこでいつ発生してもおかしくなかったのですから。そのようなことが起きるとは夢にも思わないものですが、誰もが犠牲者になり得たのです。これはあなたにも、あなたの友人や親類にも、世界のどこでも起こり得たことです」  。

 「世界は狭くなり、ボストンの出来事はモスクワにも大きな反響を呼び起こしています」とアンナさんは言う。「私は大きな世界の一員です。そしてアメリカはこの世界の一部なのです。自分や親類の誰かがこのマラソンで走っていたかもしれません。その思いがあるから、こうしてここに来たのです」。

 

 「できることは献花くらい」 

 スポーツ愛好家のナターリア・スプヤン(30歳)さんは、特にそれがマラソン大会で起きたことにショックを受けたという。スポーツ行事は本来、自身の意志力を鍛錬し、競技者がお互いの相違点を乗り越えるために行われるものであり、マラソンはその代表格だ。今回、彼女はボストンの死傷者を追悼するために多くの人々が集まったことに感激した。「私はスポーツが大好きなので、それがここへ来た理由です」と彼女は話す。「驚愕しました。他の場所で発生したら、私はお金を寄付したり献血したことでしょう。今回は自分にできることといったら、米国大使館に花を捧げに来ることくらいです。」      

 「アメリカ人を含めた全人類を愛しています」と話すのは、ロスティスラフ・ストリーガさん(33歳)だ。「世界の大国が戦争に明け暮れる中、アメリカ市民も苦しみを味わっています」。

 

 「偏在するテロリストのシグナル」 

 ロシア上院(連邦会議)国際問題委員会のミハイルマルゲロフ委員長は、ボストンのテロはロシアと米国がいたるところに偏在する共通の敵を相手に戦っていることを示している、と考える。「ボストンの事件は、我々がお互いの相違点を羅列するのではなく、協力を強化していく必要性を思い知らせる」と、マルゲロフ氏はインターファクス通信に語った。  

 マルゲロフ氏は、ボストンのテロは、2001年9月11日にツインタワーを破壊したテロほど多数の死者を出さなかったが、一般市民を殺戮すると同時に一種の脅迫的メッセージを発信することを試みたという点で、大きな脅威であると説明した。 

 「今回の場合、テロリストは米国の大都市の中心部で、外国からの何百人もの競技者、関係者、警察、観客がゴール際に集う、伝統的なイベントを標的に選びました。この爆発は、それを引き起こした犯人たちが、いたるところに偏在することを見せつけるためのものだったのです」と同氏は語った。