技術ショーの有望品TOP5

 第4回国際フォーラム「オープン・イノベーション」(10月28日~11月1日、モスクワ)では、有望な開発品が多数紹介された。ロシアNOWが5点特集する。
  1. SNSに知らせる賢い赤ちゃんベッド

 スマート・ベビー・ベッド「ベビーフィール(BabyFeel)」のプラットフォームを開発したのは、スコルコボ科学技術大学ロボット工学研究室の研究者。若き両親の悩みを解決しようと奮闘した。「赤ちゃんの機嫌や状態を理解するのは、しばしばとても難しく、親はあらゆる人に相談を始める。このベッドは小児科医に知られるいわゆる『赤ちゃん語』を分析し、感情を認識し、助言を与えることができる」と、スコルコボ科学技術大学ロボット工学研究室のドミトリー・テテリュコフ室長は、ロシアNOWに説明した。

 ベッドは赤ちゃんの感情と体の状態についてのメッセージを、両親のモバイルに送り、また写真を撮り、その中から適切なものを選ぶ。「ワッツアップ」、「インスタグラム」、「フェイスブック」、その他の交流サイト(SNS)との統合している。現在、3Dモデルしかできていないが、数ヶ月以内に試作品を完成させる予定。

 

  1. 航空機の安全な着陸のための機器

 この次世代型機器は、航空機の滑走路の状態を評価する。気候条件が厳しい時などは特に役に立つ。開発者はサンクトペテルブルク国立電気工科大学の関係者。ロシアでは現在、老朽化した機器か、13万ドル(約1560万円)以上の非常に高価な機器が使われているという。

 「当方の機器は3万8000ドル(約456万円)と、数分の1の価格」と、開発者の1人であるアナスタシヤ・ストツカヤ氏は説明する。電気制動装置の完全自動化にもとづいた技術自体も特別である。開発者は世界市場への参入についても考えている。「まずは国内で試験を行う必要がある。近い将来、空港へ導入できたらと考えている」とストツカヤ氏。

 

  1. 原子炉用錠剤

 原子力安全のための新しい錠剤を開発したのは、ウリヤノフスク州の企業「アトムテフセルヴィス(Atomtehservis)」。すでに中国から関心が寄せられている。炭化ホウ素錠剤はこれまでにも生産されているが、ロシアの開発者がプラズマ焼結の新技術を用いて、使用期間を2倍に延長した。

 「錠剤を原子炉に入れると、中性子を吸収するため、その燃え方を調整できる。錠剤が崩壊した時に交換する必要がある。そのためには原子炉を止める。一般的な錠剤は1年ほどの使用期間であるが、当方の錠剤はその2.5倍」と、原子力集積「ドミトロヴグラダ」発展センターのアリベルト・ガタウリン・センター長は話す。

 

  1. 無人垂直離着陸機

 初の商用転換式航空機「ERA-100」には、開発者によれば、一般的な無人機よりも優れた点がたくさんあるという。「はるかに遠い距離の1000キロを機敏に飛行し、省エネ型」と、ベンチャー企業「アエロクソ(Aerokso)」のウラジーミル・スピンコ最高執行責任者は説明する。

 会社は昨年設立されたばかりだが、すでにアメリカのベンチャー基金「I2BFグローバル・ベンチャーズ」から50万ドル(約6000万円)規模の投資を受けている。この転換式航空機は、インフラや農業施設のモニタリング、エンターテイメントなどの用途で使用可能。アラブ諸国の買い手からも関心が寄せられているという。  

 

  1. ソ連の藻類からできた酸化防止剤

 新しい酸化防止剤の開発者は、ソ連の微細藻類コレクションとアメリカの技術を使用した。開発会社「ソリックス(Solix)」のデニス・クジミン最高責任者によると、この酸化防止剤には医薬品の中でも強力で価値の高い抗酸化剤であるアスタキサンチンが含まれているという。「世界のアスタキサンチン市場は数十億ドル規模」。多くの会社が化学的にこれを合成しているが、この露米会社は微細藻類から得ることができた。

 世界では、成長が早く、アスタキサンチンを大量に蓄積する微生物探しが活発に行われている。「ここでは当方に明らかな競争優位性がある。そのような微生物の最大コレクションを持ちながら開発している」とクジミン最高責任者。ソ連時代に収集された微細藻類コレクションは、長きにわたり、必要な設備の欠如により、未調査であった。主な活動拠点をアメリカ・コロラド州の同社の本社に置いている。