=ロイター通信撮影
ガスプロムはミレル社長用として、アイオーエス(iOS)に対応するタブレット端末の製作入札を公示した。入札額は最大1億1974万8000ルーブル(約3億5924万4000円)。ガスプロムのウェブサイトにも、入札に関する情報が掲載されている。
ミレル社長代理のセルゲイ・クプリヤノフ氏によると、具体的にはアイパッド(iPad)や特別なソフトウェアからなるアプライアンスで、24時間365 日作動し、ミレル社長のデスクトップの機能も完全に備えているもの。このデスクトップは、25ヶ所の重要業績評価指標を分析する、昨年製作されたばかりの エンタープライズ・データウェアハウスと連結している。不具合が発生した場合は、システムの作動能力が4時間以内に回復しなければならない。
なぜこんなにかかるの?
なぜ1億1974万8000ルーブルという数字なのかについては、クプリヤノフ氏は答えられなかった。「PCの世界」誌のセルゲイ・ヴィリヤノフ編集長 は、この金額の算出方法に疑問を感じている。
「アイパッドを使用して、ガスプロムのサーバにある既存のデータベースにアクセスする。アイパッド用に情報を出力するための設定変更が必要なのは理解できるし、特別なアプリケーションもつくらなくてはならない。また、タブレットとガスプロムのセキュリティー・シ ステムも統合しなくてはならない。プロジェクトの金額は、ガスプロムの情報インフラに必要な刷新の度合いによって変わってくる。ガスプロムはこの度合いに ついての情報を公表していないから、1億2000万ルーブルがどこから出た数字なのかを完全に理解することはできない」。
「ソフトに大金を投じることにロシアが慣れていないだけ」
一方で「ヴェドモスチ」紙のコラムニスト、ロマン・ドロホフ氏は、ソフトウェアに大金を投じることにロシアが慣れていないだけだと考えている。「先進国 のユーザーは、ソフトウェアにハードウェア並みの額を使うが、ロシア人はソフトウェアの海賊版探しに時間をかける」。
一部のIT専門家は、世界最大のガス 会社を管理するためのアプリケーションの開発費なら、1億2000万ルーブルは妥当な金額だと考えている。ロシアの大手IT企業の従業員は、ミレル社長だ けでなく、幹部全員がガスプロムのアイパッド用アプリケーションを使うと考えており、その場合の開発費は5000~7000万ルーブル(約1億5000 万~2億1000万円)になると試算している。
開発者は2つの困難な課題を解決しなければならない。それはガスプロムのすべてのデータにすばやくアクセスできること、そして携帯ネットワークを通じて 転送する際、またアップル(Apple)のアイオーエスのプラットフォームを使って作業をする際に、ガスプロムのデータを確実に保護することだ。入札募集の 締め切り日は7月22日。開発期間は206日。
*「ヴェドモスチ」、「イズベスチャ」、「RBCデイリー」、「BFM.ru」参照記事。
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