宇宙用の臓器培養炉を製作中

グリゴーリ・シソーエフ撮影/ロシア通信

グリゴーリ・シソーエフ撮影/ロシア通信

Y.A.ガガーリン宇宙飛行士訓練センターで、大型ジェット輸送機イリューシン76内部の無重力状態を作り出す実験室の中に、臓器培養炉を製作している。

 ノボシビルスクの研究者は、新しい特性を持つ、臓器を含む生体物質や化学物質を、無重力状態で生成する炉を開発している。試験サンプルを使ったこれまで の実験は、培養工程が宇宙で実現可能なことを示した。革新技術会社「渦流技術センター」のユーリー・ラマザノフ所長が、ロシア通信にこれを伝えた。

 

無重力状態により組織を全方向に均一に培養 

 ラマザノフ所長によると、微小重力の条件下でバイオテクノロジー工程を行う炉は、渦巻きの原則にもとづいて作動するという。幹細胞や微小粒子が、装置内部で空気渦流によって混合する。これによって生体や他の物体が生成可能となるのだ。無重力状態によって、組織や臓器を全方向に均一に培養できる。

 Y.A.ガガーリン宇宙飛行士訓練センターのイリューシン76で装置が作られていることを、ラマザノフ所長は説明した。宇宙で液体を混合する装置が完成すると、そこで組織と臓器を含む新たな生体物質をつくったり、宇宙ステーションで廃棄物のリサイクルをしたりすることが可能とな る。

 

廃物リサイクルも短時間で 

「炉の中では生物学的プロセスや化学的プロセスが発生する。宇宙では、地球では得ることのできない組織、重合体、結晶を得ることが可能だ。また、国際宇宙ステーションは暑く、汗はナプキンで拭いているが、ナプキンをリサイクルすると、セルロースを多糖やグルコースに転換できる。これは非常に長い時間がかかるものだが、炉の中ではより速く進む」とラマザノフ所長。

このウェブサイトはクッキーを使用している。詳細は こちらを クリックしてください。

クッキーを受け入れる