国際熱核融合実験炉は建設段階に

写真提供:iter.org

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第12回国際熱核融合実験炉(ITER)理事会が6月19~20日、東京で開催された。会議の総括にあたり、大きな将来性を秘めた熱核融合実験炉プロジェクトが、本格的な建設の段階に入っていることが伝えられた。

 ITER理事会には、ロシア、中国、欧州連合(EU)、インド、日本、韓国、アメリカが参加。ロシアからは、国立研究センター「クルチャトフ研究所」のエヴゲニー・ヴェリホフ所長と、国営公社「ロスアトム」のヴャチェスラフ・ペルシュコフ副社長などが代表として出席した。

 南フランスのサン・ポール・レ・デュランス市に位置するITER施設の建設が迅速化していること、そしてトカマク型装置、すなわち制御熱核融合の維持に必要な磁場でプラズマを閉じ込める装置の建設も着実に進展していることが、理事会で報告された。日本原子力研究開発機構(JAEA)の専門家は今年初め、那珂核融合研究所(茨城県那珂市)で、トカマク型装置の組み立てを開始した。プロジェクトに関連する数多くの契約を締結し、参加国の各産業分野に積極的に働きかけたことで、ITERのコンポーネントの納入を来年の第3四半期にも始めることが可能となった。

 出席者は、ITERの材料の製造が進んでいることが、特に大きな成果だと話した。トロイダル磁場に必要なニオブスズ(Nb3Sn)超伝導線材は、すでに420トン以上つくられた。これはITERの需要の90%をまかなっている。またポロイダル磁場に必要なニオブチタン(NbTi)超伝導線材も、すでに133トンつくられ、需要の半分を満たした。これがロシア、中国、EUの努力によって達成されたことは大きい。

 次回の会合は9月6日、サン・ポール・レ・デュランス市のITER機構本部にて、大臣レベルで行われる。

 制御熱核融合は、太陽で起きている膨大なエネルギーを生み出す反応を再現するもの。 専門家によると、これは比較的近い将来に、もっとも有望なエネルギー源の一つになり得るという。ITERは2020年に稼働を開始する見込み。