スコルコボの学生が発明を披露

スコルコボ科学技術大学の1期生が、ロシア版シリコンバレーを目指すスコルコボ財団のヴィクトル・ヴェクセリベルグ総裁に、学習の成果を報告した =Press Photo撮影

スコルコボ科学技術大学の1期生が、ロシア版シリコンバレーを目指すスコルコボ財団のヴィクトル・ヴェクセリベルグ総裁に、学習の成果を報告した =Press Photo撮影

スコルコボ科学技術大学の1期生が、ロシア版シリコンバレーを目指すスコルコボ財団のヴィクトル・ヴェクセリベルグ総裁に、学習の成果を報告した。ここでは成績表のほか、ゴミ収集箱自動洗浄機、自転車用ナビゲーション・システム、スマートフォン・アプリ「コシェリョク(お財布)」などの、商業化可能なプロジェクトが提示された。

1期生の20人の学生は半年前、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)、イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドン、スイスのチューリッヒ工科大学、中国の香港科技大学へ、それぞれ留学生として振り分けられた。

「スコルコボ科学技術大学の提携校の中から、どこに行きたいかを申請書に書きました。留学先には学習分野も影響しました」と同大学の学生である、ルステム・フェイズハノフさんは話す。

課題を与えられて外国留学へ 

留学前に、具体的な問題を解決する課題が与えられ、今回冬休みに一時帰国した機会を利用して報告が行われた。MITに留学した学生は、日常生活で役立つような日用的な作品づくりに取り組んだが、これは容易に民間事業に応用することができる。

ヨーロッパ組は、現在50%の集電効率を90%まで高めた新種の太陽電池の開発など、環境問題の解決に取り組んだ。

この他に報告されたのは、MITのキャンパスですでに使用されているゴミ収集箱自動洗浄機、携帯電話のブラウザのリンクを使って、プレゼンテーションのスライドを自動的に保存できるアプリ「タップ・デスク(Tap Desk)」(プレゼンのスライドを撮影したり、手書きでメモしたりする必要がなくなる)などだ。

タップ・デスクの開発者の一人、ヴァゲ・タアマジャンさんはこう説明する。「まだプロジェクトの商業化については考えていません。アメリカやロシアでアプリを無料提供しています。MITの一部の教授がこれに興味を示しましたし、スコルコボ財団にも気に入ってもらえました。使い方は、プレゼンのあるパソコンからうちのサーバにアクセスして、参加者には短いリンクを提供するだけです」。

すでに導入が進んでいるプロジェクトも 

タアマジャンさんが参加するもうひとつのプロジェクトは、すでに実用化が進もうとしている。これは自転車に乗る人のためのナビゲーション・システムで、自転車のハンドルに装着されるバイブレーションの左右のどちらかが、曲がり角に近づくと振動し、人間がナビゲーションの絵を見なくても進路を認識できるようにしているので、安全な自転車運転ができるのだ。アメリカ・オレゴン州ポートランド市に所在するレンタル自転車会社、アルタ・バイシクル・シェア(Alta Bicycle Share)が、これを使おうと計画している。

すべての報告された開発が革新的というわけではないが、世界ですでに導入が進んでいるバス停の電子広告をつくったチームや、スマートフォン・アプリ「コシェリョク(お財布)」をつくったチームもあった。それでもヴェクセリベルグ総裁は、どの成果も印象的だったと話す。「我々は新しいタイプの大学を創設しました。みなさんはすべてのプロジェクトのお手本となる1期生です。みなさんがこの大学を卒業した後、外国に移住してしまわないよう、我々はあらゆる努力をします」。

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