「平和条約締結の道を模索」

ミハイル・クレメンチエフ/タス通信
 11月19日、ペルーのリマでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて露日首脳会談が行われ、双方は、12月15~16日のプーチン大統領の訪日の準備や経済協力プランについて話し合った。大統領はまた、APECサミットの成果をまとめる記者会見で、いかなるテーマが交渉の主要議題となりうるかや平和条約の問題に関する姿勢について語った。

 プーチン大統領は、ロシアと日本は平和条約締結のための道を模索しており、信頼を高めつつこの志向を維持する必要がある、と述べた。

 大統領は、APECサミットの成果をまとめる記者会見で、「改めて強調したいのは、私たちが、ロシアも日本も、平和条約締結を切に望んでおり、いかにそれを為すべきかを模索している、という点である。何が古いアプローチであり何が新しいアプローチであるか、私は知らない。私に分かるのは、この志向をあらゆる手段で維持する必要があるということだけだ」と語った。

 プーチン大統領の考えでは、露日間の合意達成のための基礎となるべきなのは、相互の信頼を高めることである。

 プーチン大統領は、さらにこう述べた。「何を基礎に合意が達せられうるか? 相互の信頼を高めることを基礎に。こうした信頼達成の道の一つは、協力の拡大であり、まさにそれゆえ、日本の安倍首相は、実務および経済関係拡大の自らのプログラムを提案した。首相のプログラムは、8項目から成る。それは、島々に限らぬ露日間全体のかなり大型のプロジェクトの実現である」

 大統領は、自身の訪日が行われるならば、平和条約および係争の領土に関する一連の問題が主要な議題となろう、と述べた。

 プーチン大統領は、記者らの質問に応えて、「私たちは外務省レベルでもコンタクトを継続し、対話は日本側の発意に基づいて定められ、私の訪日が行われるならばこの一連の問題全体が、私の訪問時の私たちの会談でも主要な議題となることで合意した」と語った。 

 

条約の欠如は過去のアナクロニズム

 プーチン大統領は、また、日本との平和条約の欠如は前進を妨げる過去のアナクロニズム(時代錯誤)であるが、その調印の準備に際して先走りたくはない、と述べた。

 プーチン大統領は、こう語った。「私は、平和条約調印の準備という私たちが取り組んでいる主要な問題に関して、けっして先走りたくはない。日本にとってもロシアにとっても露日間におけるそうした条約の欠如が私たちの前進や発展を妨げる過去のアナクロニズムであることは、全く明らかであろう」

 

さまざまな案が考えられる

 プーチン大統領は、クリル列島は今日ロシアに主権が帰属する領土であるが、ロシアは日本と対話を行う用意があり、さまざまな案が考えられる、と述べた。

 プーチン大統領は、こう語った。「クリル列島について言えば、それは、第二次世界大戦の結果であり、私たちは、それは、今日、国際文書において保証されたロシアに主権が帰属する領土である、と考えている。しかし、私たちは、日本のパートナーらと対話を行う用意があり、さまざまな案が考えられると思っている」

 プーチン大統領は、「日本へ2島が引き渡されることが明記されていたものの、何に基づいてなのか、その2島の主権がどちらに帰属するのか、それらがいかなる条件で移管されるのか、述べられていなかった」文書が1956年にソ連と日本の間で締結された点を指摘した。

 

「パック」はリンク上を動いている

 プーチン大統領は、来る露日首脳会談は、関係における「パック」(アイスホッケーの)がリンク上を動いているしるしである、と述べた。

 プーチン大統領は、ペルーでのAPECサミットの成果をまとめる記者会見で、今も行動実施のための「パック」が日本側にあるのかとの質問に応えて、「私たちが日本におけるものを含む今後の会談について合意しているということは、すでに相互関係において何かが動いているしるしである。準備について言えば、それは始まったばかりであり、これについて語るのは時期尚早である」と述べた。

 

*ロシア通信の記事を参照

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