ロシアならこう主張した

EPA撮影
 本紙は、G7の首脳らが取り上げた議題についてロシアならこう主張したであろうという意見を集めてみた。

 5月末に日本で開催されたG7サミットでは、世界経済の税による刺激、ウクライナ東部の状況、中国と日本の領土紛争が、主要な議題となった。

 これらすべての事柄に関して、ロシアは、自国の見解を有している。本紙は、専門家らに話を聞き、2014年に主要国首脳会議のメンバーから外れたロシアが今回のサミットで取り上げたであろう議題についての意見を集めてみた。

 

1. 税の軽減

 サミットでは、ビジネスにおける税負担の軽減、いわゆる「財政刺激策」が、世界の経済成長の牽引役の一つとならねばならない、とされた。このメソッドの採用は、まず第一に日本と米国が主張した。

 会社グループ「フィナム」のアナリスト、ボグダン・ズヴァリチ氏は、ロシアにはこのプロセスに参加する用意があるとし、「ビジネスの一定の分野を対象とする税の軽減もしくは免税の導入といった税による刺激によって、国にとって必要な分野を発展させることができる」と語る。

 たとえば、中小ビジネスの発展のためには、起業後数年間の免税の導入が考えられる。2016年5月27日、ロシアの財務省は、個人の企業家すなわちビジネスに携わる個人が最初の2~3年間は納税を免除されるという税制改革案を作成した。

 投資会社「ルス・インヴェスト」の分析課長、ドミトリー・ベデンコフ氏は、「税の軽減は、中小企業をはじめとするビジネス活動の促進要因の一つである」と語る。同氏によれば、財政刺激策は、企業の財政負担を軽減させることができ、このことは、結果として予算収入に、将来的には世界経済全体に、好い影響を及ぼす。

 

2. ウクライナ東部における紛争

 日本での会合で、G7の首脳らは、6月に対露制裁を延長することで合意した。サミットの成果をまとめる首脳宣言では、ウクライナ危機を背景に2014年に導入された対露制裁は、ロシアによるミンスク合意の「完全な履行」まで効力を保つ、と改めて述べられた。

 2015年2月のミンスク合意は、ウクライナ南東部における武力紛争の平和的解決のロードマップであり、それは、ウクライナの当局およびドンバス(ウクライナ南東部)の自称共和国の指導部による一連の具体的措置の履行を見込んでいる。

 日本でのサミットで、G7は、制裁の延長に留まらなかった。宣言には、ロシアに対する「更なる制裁措置」を講じるとの威嚇も盛り込まれている。それは、「ロシアの行動に応じて必要ならば、ロシアのコストを増大させるため」に実施されうる。

 ロシアは、これにすみやかに反応し、セルゲイ・リャブコフ外務次官は、G7の首脳らは「ウクライナ当局に向けるべき自明の事柄を無視している、まさにウクライナ当局がミンスク合意を履行していないのだから」と声明した。

 ロシアとウクライナは、ミンスク合意を履行していないとして絶えず互いを非難している。ロシアは、公式にはドンバスにおける紛争に参加していないが、ウクライナ側は、ロシアは自称共和国のリーダーらに対する影響力を有している、と考えている。

 

3. 中国と日本の領土紛争

 G7の首脳らは、また、「中国へ力強いシグナル」を送る必要性を表明した。これは、中国が領有権を主張する南シナ海および東シナ海における中国の行動に関するものであり、米国とその同盟国は、そうした行動に懸念を抱いている。

 サミットのホストを務めた日本の安倍晋三首相は、5月26日、地域における力による現状変更は認められないと声明した。首脳宣言では、また、地域における紛争の平和的解決の「根本的な重要性」について述べられている。南シナ海の領域に対しては、一方では、中国が、他方では、米国の支持を予め取りつけたと中国が考えるヴェトナムとフィリピンが、その領有権を主張している。東シナ海では、中国と日本が、領有権を争っている。

 ロシアは、領土紛争に巻き込まれた当事国自ら国際法に基づいて領土紛争の解決を図るよう主張している。ロシアは、外務省の声明にある通り、紛争の「インターナショナリゼーション(国際化)」に反対している、すなわち、外からの力による紛争への介入に反対している。3月初め、米国海軍の船団が、南シナ海の係争水域を航行し、これは、それを「挑発」とみなした中国の激しい抗議を呼び起こした。