Su-24のパイロット救出の詳細

ロシア通信撮影
 マスコミに、トルコ軍によって11月24日に撃墜されたSu-24のロシア人パイロットの救出の詳細が明らかになった。

 シリア上空でのロシアSu-24機撃墜事件から1日が経過した後、ウラジーミル・プーチン大統領はパイロットに国家勲章を授与した。Su-24からは両パイロットとも脱出できたが、そのうちの1人である機長のオレグ・ペシコフ中佐に対しては、地上から銃撃が行われ、死亡した。航法士のコンスタンチン・ムラフチン大尉(「アヴィアダルツ2014」コンテストによるとロシア最高の航法士)は救出された。発見されたムラフチン大尉は、ロシア空軍基地「フメイミム」に運ばれたことを、プーチン大統領は明らかにした。同時に、マスコミに、航法士救出作戦の詳細が明らかになった。

 

砲撃

 ロシア連邦国防省は、航法士救出を行ったのが、ロシア軍とシリア軍の特殊下部組織であることを伝えた。シリア時間9時24分に撃墜されたSu-24を目指し、11時過ぎに5機のMi-8ヘリコプターが飛び立った。シリア軍事諜報機関の消息筋は「ノヴァヤ・ガゼタ」紙の取材に対し、それぞれのヘリコプターに案内役および通訳として数人のシリア人が乗っていたと話した。「残りの7~8人は国防総局下部組織の海軍歩兵」と同紙は書いている。

 無線ビーコンはそれぞれのカタパルトに設置されていたため、墜落現場の特定は難しくなかった。その信号に救出ヘリコプターが導かれた。ただ、墜落現場近くに着陸することはできなかった。Mi-8の1機が着陸しようとした際、地上から砲撃されたため。その結果、海軍歩兵の1人が死亡。残りはロシア空軍基地に避難した。ヘリコプターはすでに、シリアのこの領域を支配し、テロ組織と組んでいるシリア・トルクメン人の集団「ジャバル・アル・トルクメン」の戦闘員によって地上で破壊されていた。

 オンライン・ニュース・サイト「レンタ・ル」によると、アメリカ製対戦車ミサイルBGM-71 TOWによってヘリコプターは破壊されたという。状況を知る関係筋はレンタ・ルに、「このタイプの兵器は、他の欧米製の兵器と同様、トルコを経由してシリア北部のテロリストに渡っている」と話した。この時、戦闘員がBGM-71 TOWを標的に向けて打っている様子が映された動画は、「ユーチューブ」に投稿されている。

 

人質になったのか、シリア政府軍に連れ出されたのか

 砲撃により、ヘリコプターは墜落現場の数キロ離れた場所にしか着陸できなかった。レバノンのテレビ局「アル・マヤデーン」はその「フェイスブック」で、航法士の捜索から6時間後に発見できたと伝えている。航法士がいた場所までは徒歩で移動した。「ノヴァヤ・ガゼタ」紙によると、航法士は武装集団によって捕まえられていたが、後方撹乱・偵察グループが集団を囲み、野戦指揮官と交渉して、人質解放まで説得できた。これを明らかにした関係筋は、午後3時には救出された航法士がフメイミム基地にいたこと、機長の捜索は夜遅くまで続いたものの、結果を出せなかったことを確信している。

 ただし、異なる説もある。アレクサンドル・オルロフ駐フランス・ロシア大使は、ラジオ局「ヨーロッパ1」の取材に対し、救出された航法士が追跡者から隠れ、その後シリア政府軍によって連れ出されたと話している。下部組織の兵士は航法士とともに2時間かけて安全な場所へ避難し、ロシア空軍基地へ向かったと、アル・マヤデーンは伝えている。セルゲイ・ショイグ・ロシア国防相によると、モスクワ時間午前3時40分に「作戦は成功した」。