クリミア・ウクライナ間に残った物

ロイター通信撮影
 ウクライナ側からクリミア半島への送電線の支柱が破壊された後、クリミアでは非常事態が宣言された。昨年の住民投票でロシアへの編入に賛成票を投じた住民に対して、ウクラ​​イナの水、食料の供給の停止や、クリミア-ウクライナの公共交通機関の接続の妨害が試みられた。 ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領は23日、ウクライナとクリミアの間の貨物輸送を禁止し、クリミアとの商業取引を停止する問題を審議するよう、ウクライナ政府に提案した。

 クリミア半島は22日日曜日の夜、闇に沈んだ。不明な者によって、クリミアに隣接するウクライナ・ヘルソン州の送電線の支柱が爆破された。だがクリミアの住人へのエネルギー遮断は、ここ半年で住人が直面した初めての問題ではない。

 

 ウクライナ政府は昨年4月、北クリミア運河を通じたクリミアへの水の供給を遮断した。ウクライナはそれまで、半島の水の需要85%を、この運河を通じてドニエプルからクリミアへ供給しながら満たしていた。クリミアは給水問題の一部を、クリミアのビユク・カラス川から運河に放水することで解決。同時に掘り抜き井戸を掘り、運河に水を供給するためのパイプラインを建設し始めた。北クリミア運河および住宅への試験給水は、ケルチ、フェオドシヤ、スダクなどのクリミアの都市に、今年4月に行われた。

 北クリミア運河の水は主に、農地の灌漑に使用されていた。ウクライナから遮断された後、農家は多くの水分を必要とする稲作を止め、他の作物の栽培に集中した。

 

交通

 ウクライナは昨年12月、クリミアとの鉄道とバスの連絡を停止すると発表。クリミアはバス関連の状況を何とか打開しようと試みた。マスメディアによると、クリミアの交通会社は、国境まで行けるバスの乗車券を販売し始めた。国境手前で降車し、歩いて越境する。ウクライナ側でも同様のバスに乗ることができるが、それはウクライナ・ナンバーのついたバスになる。同じ乗車券でウクライナの都市のいずれかに向かう。

 送電線の支柱の破壊騒動を背景に、ポロシェンコ大統領は23日、クリミアとの貨物輸送も停止する問題を検討するよう要請した書簡を、ウクライナのアルセニー・ヤツェニュク首相に送った。ウクライナ内閣は同日、大統領の要求に対応し、クリミアとの貨物輸送を停止する決定を行った。このようにして、ウクライナとクリミアの境界を、歩いて通過するか、個人の自動車で通過するかしかなくなる。

 これ以外に、ウクライナは6月、クリミアに行く外国人向けの新しい規則を導入した。キエフがこれまでと同様に行政と考えている境界を超えるのに、ウクライナ人は身分証明書を提示するだけで良いが、外国人は身元を証明する書類だけでなく、ウクライナ入国管理局によって発給される特別許可証も提示しなければならない。

 

食料

 過激な民族主義グループ「右派セクター」(ロシアで禁止されている組織)のメンバーと、親ウクライナ派のクリミア・タタール組織「マジュリス」は9月末、クリミアに対する無期食料遮断の開始を発表した。国境にチェックポイントを開設し、食物を積載したトラックをクリミアに通さないようにしている。クリミア行政府は、封鎖後まもなく、ウクライナの過激な行動がなくとも、クリミアの店におけるウクライナ食品のシェアは最近激減し、約5%ほどになっていたことを明らかにした。行政府によると、半島内の生産品とロシア本土からの食品で十分まかなわれているという。

 封鎖から1ヶ月が経過した後、ウクライナの食品をクリミアの店でも見つけることができると、ウクライナのマスメディアは伝えていた。クリミア税関のウラジミール・アヴラメンコ税関長によると、食品を含むウクライナ品は、ウクライナとクリミアを結ぶ地峡以外に、ロシア・ウクライナ国境の他の領域を通じて、クリミアに入り続けているという。

 

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