メドベージェフ首相は「ロシスカヤ・ガゼタ(ロシア新聞)」のインタビューでこう話した。「墜落原因としてテロの可能性は当然ながら残っている」。原因は「まだ調査中」だという。
ロシア政府はこれまで、テロによる旅客機墜落の可能性への言及を避けてきた。ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は先に、テロ説を不確かな推論としていた。また、マクシム・ソコロフ運輸相は10日、墜落原因がテロであることを証明するデータは一切出てないことを、改めて説明した。
アメリカの「ロイター」通信は7日、事故調査委員会の委員の話として、委員会の専門家が機内で爆発が起こったと90%確信していることを伝えた。ブラック・ボックスの一つの終わりごろで爆発音が聞こえるという。
テロの可能性に関する情報の増加を背景に、フランスの「エアバス」社は、技術的不具合が墜落原因ではないとの見解を示した。「現時点で、航空機が技術的に正常だったと理解している。つまり、墜落は航空機によって発生したわけではないということだが、当然ながら、調査の最終結果を待つ必要がある」と、エアバス報道窓口部のステファン・シャフラート副部長は10日、「ドバイ・エアショー2015」でロシア通信に話している。
メドベージェフ首相はロシスカヤ・ガゼタのインタビューで、政府がエジプトにいるロシア国民を2週間で出国させ、必要に応じて、その後も航空機を現地に送る意向であることを明らかにした。ウラジーミル・プーチン大統領は6日、エジプト発着のすべての旅客便を運航停止とすることを決めた。航空会社は現在、エジプトにいるロシア人を輸送している。その荷物は非常事態省の航空機で個別に運ばれている。
「コメルサント」紙は、国の機関の関係筋の話として、旅客便の運航停止措置がエジプトだけでなく、他の国にも適用される可能性があることを伝えている。同時に、エジプト便の運航停止は年単位の長期におよぶ可能性があることも示唆している。ただ、ペスコフ大統領報道官によると、そのような他の国の便の運航停止は、大統領レベルでは話し合われていないという。
アメリカとイギリスは原因調査への協力を表明した。アメリカ・ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト報道官によると、墜落に関する偵察情報をロシアとエジプトに提供するという。「エジプトとロシアはこの調査を行っている。こちらに共有するものが何かあれば、それを行う」とアーネスト報道官。
アメリカは今のところ、墜落原因に関する結論を出せていないものの、テロの可能性を排除しないという。「この悲劇で何が起こったのかを知るために可能なことすべてを行っている」とアーネスト報道官。アメリカのバラク・オバマ大統領は5日、爆弾が機内にあった可能性を指摘し、「深刻に受け止めている」と述べた。
イギリス外務省は先に、9268便の機内でテロが発生した可能性を示す、偵察にもとづく情報をロシアに渡したと、公に伝えた。ただ、イギリスのフィリップ・ハモンド外相は、イギリスがこの墜落に関するすべての偵察情報をロシアに明かすことはできないとも述べている。
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