ケリー米国務長官のロシア訪問

ミハイル・クレメンティエフ/ロシア通信撮影

ミハイル・クレメンティエフ/ロシア通信撮影

アメリカのジョン・ケリー国務長官は12日、ロシア南部のソチ市を訪問し、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相、ウラジーミル・プーチン大統領と相次いで会談。ウクライナ問題について話し合った。アメリカが事実上、ウクライナの和平を目指す「ノルマンディー4者協議」(ドイツ、フランス、ロシア、ウクライナ)に加わったと言えると、専門家らはロシアNOWに話した。

 ケリー国務長官のロシア訪問は2年ぶり。ラブロフ外相、プーチン大統領との会談は長時間続いた。クレムリンは、ロシアとアメリカの関係は進展していない、と説明しているが、ロシアの専門家は、ソチの会談の結果がアメリカを事実上「ノルマンディー形式」に加え、ウクライナ危機の解決のメカニズムを大きく変えると考えている。 

 

「平和への最善の道筋」

 ユーリー・ウシャコフ大統領補佐官は会談について、大きな進展とはならなかったものの、オープンで和やかだったと説明した。ラブロフ外相も「素晴らしかった」と話した。

 ケリー国務長官も、ロシア政府との会談がオープンだったと話し、ウクライナについては、ミンスク和平合意を「平和への最善かつ主たる道筋」と呼んだ。「和平合意ができる限り早期かつ完全に履行されなければならない」とケリー国務長官。

 ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領が、ウクライナ東部の義勇軍の管理下にあるドネツィク空港を取り戻すと発言したことについて、ケリー国務長官は会談後の会見で、軍事作戦を急ぐ前に、まずは考えるよう、ポロシェンコ大統領に提案できれば、と述べた。作戦が始まれば、ミンスク和平合意は「深刻な脅威」にさらされるという。

 「高等経済学院」世界経済学部のアンドレイ・スズダリツェフ副学部長は、ロシアNOWの取材に対し、ソチでのケリー国務長官の発言はそれなりに象徴的であると話した。ケリー国務長官はウクライナ政府に圧力をかけると約束し、ミンスク和平合意を破っているのは東部の義勇軍やロシアだけでなく、ウクライナもそうであることを認めた。アメリカはこれまで、ウクライナを挙げることはなかった。

 

アメリカの動き

 専門家によると、ソチの会談ではウクライナ問題について、両者が原則的に合意できたという。アメリカは今後、ミンスク和平合意を履行するようウクライナ政府に追加的な影響を与え、ロシアも東部のドネツィク人民共和国、ルハンシク人民共和国に影響を与えて行く。この共通の基盤となるのはミンスク和平合意であり、その履行を保証する一当事者であるロシアにとって、このことは非常に重要であると、ロシア科学アカデミー欧州研究所欧州安全保障部のドミトリー・ダニロフ部長は強調した。アメリカはこれまで、ミンスク和平合意の重要性を政治的にも、外交的にも、あまり認めていなかったが、これからはウクライナ情勢の正常化に向けて活動していくのだと、ダニロフ部長は説明した。ウクライナ政府とアメリカ政府の非常に密接な関係を考えると、これはウクライナの平和実現の可能性を高めるという。

 複数の専門家によると、アメリカが事実上、「ノルマンディー4者協議」に参加したことになるという。「アメリカも事実上、この協議に加わった。ロシアはそれを求めていたが、アメリカがそのように動いてくるかについては、確信が持てないでいた。バラク・オバマ大統領は慎重かつ思慮深い歩み寄りを行うことを決めた」と、政治技術センターのイーゴリ・ブーニン所長は話す。

 

「重要な時が訪れた」

 ソチの会談後、ケリー国務長官はミンスク和平合意の実現について、ポロシェンコ大統領と電話会談で、またウクライナのパウロ・クリムキン外相とトルコ・ベレク市で開催された北大西洋条約機構(NATO)の外相理事会で、それぞれ話し合った。ケリー国務長官はトルコで、これまでと同様にミンスク和平合意を「ロシアと分離独立派が順守すべき」だと話しながら、同時に、「行動の重要な時が訪れた」と話した。

 ダニロフ部長によると、ソチでの良い雰囲気の会談は、今後のロシアとアメリカの対話の継続を保証するものだという。