ウクライナ東部における停戦

ロイター通信

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ロシア、ドイツ、フランス、ウクライナの首脳が2月12日にミンスクでの協議で合意したウクライナ東部における停戦に関する協定は、15日未明に発効した。戦闘行動の停止を監視するOSCE(欧州安全保障協力機構)の評価によれば、停戦はデバリツェヴォ周辺を除いて守られている。ロシアの一部の専門家は、ウクライナの数千人の軍人が包囲されている「デバリツェヴォ包囲環」の問題は停戦の破綻をもたらしかねない、とみている。

 ドンバス(ドネツ炭田)における停戦は、すでに丸三日守られているものの、紛争当事者双方は、相互の砲撃について声明している。OSCEは、デバリツェヴォ周辺の状況の複雑さを指摘しつつ、停戦はおおむね守られているとしている。

 ドネツィク(ドネツク)とルハーンシク(ルガンスク)の両州の境界に位置するデバリツェヴォ周辺および親露派武装勢力の支配地域では、緊張状態が続いている。OSCEの監視団は、親露派武装勢力に妨げられたため2月15日の日曜日に現地入りできなかった、と声明し、これに関連して、エルトゥグルル・アパカン監視団長は、ウクライナ東部のすべての地区への立ち入りを監視員らに保障するよう双方に呼びかけた。

 ミンスク合意によれば、OSCEは「効率的な監視ならびに停戦および重火器撤去の検証」を実施し、撤去は停戦後二日目までに開始されることになっている。

 

「かなり客観的な状況」 

 ロシアの軍事専門家らによれば、ドンバスでの停戦はおおむね守られているが、デバリツェヴォおよびマリウポリの周辺では砲撃が続いている。アナリストらは、OSCEの役割および評価を前向きに受け止めており、停戦遵守の面で同組織に一定の期待を寄せている。

 地政学的問題アカデミーのコンスタンチン・シフコフ第一副総裁は、ドイツとフランスという欧州のキープレイヤーがウクライナ紛争の拡大を望んでいないためOSCEはドンバス情勢のかなり客観的な状況を呈示している、とし、「OSCEが(停戦の)違反を確認し、その後、ベルリンとパリで政治的決定が行われることになる」と述べている。

 軍事予想センターのアレクサンドル・ツィガノク所長も、現在の危機という文脈におけるOSCEの肯定的な役割を指摘しており、他にウクライナ東部での危機を解決できる機関はないとして、「OSCEは、かなり正確に状況を予想して報告を作成しており、同組織の役割は、この半年でかなり増大した」と述べている。その際、同氏は、同組織の代表がミンスク合意への調印を親露派武装勢力に働きかけて好い役割を演じた点を指摘している。

 

デバリツェヴォと重火器撤去 

 「デバリツェヴォ包囲環」をめぐる状況が停戦の行方にどのような影響を及ぼすかについては、意見が分かれている。

 コンスタンチン・シフコフ氏は、デバリツェヴォ周辺で生じていることについてはミンスク合意に何ら「記されていない」ため、現地の状況は予断を許さない、としているが、おそらくウクライナの軍人たちの側から突破が試みられるものの結果として彼らは投降する、とみている。

 同氏は、また、「包囲環」の存在は、衝突ラインから他の地区への重火器の撤去に影響を及ぼさない、とみなしている。

 一方、アレクサンドル・ツィガノク氏は、「部隊が包囲されているという要因は、ミンスク合意の履行の面でマイナスの役割を演じる」とみなしている。同氏は、「包囲環」の存在は親露派武装勢力による重火器の撤去を不可能にしかねない、とし、砲兵器やミサイル兵器がそこから撤去されることになっている衝突ラインから「包囲環」がわずか2キロしか離れていない点を指摘している。

 政治軍事分析センターのアレクサンドル・フラムチヒン副所長は、「誰がどのように重火器の撤去を監視するかは今も不明である」としたうえで、「たとえ重火器がそれでもやはり撤去されるとしても、たった数時間でそれを元の場所へ戻すことができる」点を指摘している。