独仏首脳が電撃訪露

コンスタンチン・ザヴラージン撮影/ロシア新聞

コンスタンチン・ザヴラージン撮影/ロシア新聞

2月6日(金曜日)、ウクライナ紛争の解決の糸口を探るべく、独仏首脳が、プーチン大統領と協議するため、モスクワを訪れた。数時間にわたる会談後、討議された新提案の内容は明らかにされなかったものの、複数の専門家の意見では、停戦に向けて何らかの妥協に達する可能性は十分ある。ただし、より難しい政治問題で合意できるかどうかは別問題だという。

 2月6日、ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領が、モスクワを訪問。訪問の発表は、そのわずか1日前のことで、多くの人が、ウクライナ東部の危機の正常化に向けて突破口が開けるのでは、と期待した。 

 ただし、クレムリンでの会談後、記者団に対して、その結果の総括は、8日(日曜日)のいわゆる「ノルマンディー4カ国」(ロシア、ドイツ、フランス、ウクライナ)の電話会談で行われると伝えられた。 

 ドミトリー・ペスコフ大統領報道官によると、「現在、ミンスク合意を補充した共同文書が準備されている」。この文書は、ノルマンディー4カ国の提案を含んでいるという。 

 ペスコフ報道官はクレムリンでの会談について、「建設的で充実していた」と述べた。独仏首脳も同様の評価を与えている。

 

電撃訪問 

 6日の独仏首脳の訪露も、それに先立つ5日の両首脳のキエフ訪問も、青天の霹靂となった。なお、キエフには同時に、アメリカのケリー国務長官も訪れている。キエフで独仏首脳は、ウクライナのポロシェンコ大統領と5時間に及ぶ会談を行った。

 この電撃訪問の前も、両首脳は、新たなイニシアティブについて多くを語らなかった。ただオランド仏大統領は、協議の対象となるのは、既に作成されている文書ではなく、正常化を目指し新提案を行うことを示唆。また、その基礎となるのがウクライナの領土保全であると説明した。

 キエフでのこの三者会談の後もやはり、新提案の内容は明らかにされなかったが、ワレリー・チャルイ・ウクライナ大統領補佐官はこう声明している。すなわち、協議された提案は、いわゆる「プーチン・プラン」ではなく、「昨日から各当事者の共同の努力でミンスク合意を補充したもの」であると。

 この声明の背景には、米国のメディアに、今回の独仏首脳の訪問は、先週プーチン大統領が行った提案に応えたものであるとの情報が流れた事実がある。

 その報道によると、プーチン大統領は、現時点でのウクライナと親露派の境界線を認めるよう提案したという(つまり、親露派が攻勢に出るのに成功した後の境界線で、ということ)。また大統領は、独立を宣言しているウクライナ東部により大きな自治権を与えることも提案した。

 一方、ロシアのコメルサント紙によれば、この案にはさらに、両勢力の間に平和維持軍を配置することも含まれていたという。

 

政治的正常化の難しさ

 国際問題の権威、チモフェイ・ボルダチョフ氏の考えでは、独仏首脳の訪問は、彼らの交渉に対する真剣さを示しており、両者がキエフに対して、欧州とロシアが賛成できる案を受け入れるよう圧力をかけられる可能性は大だという。

 ロシア国立高等経済学院・欧州研究センターの専門家、マクシム・ブラチェフスキー氏によると、独仏首脳のシャトル外交は成果を挙げ得る。境界の線引きの問題でも、平和維持軍の問題でも、合意できる可能性があるが、ただし、長期にわたる政治的正常化を実現するのは遥かに難しいと言う。それはつまり、キエフが独立を宣言した二つの共和国を認めるか否か、そして、ウクライナ自身の国家体制がどうなるか(連邦制に移行するのか、これまでのような単一国家であり続けるのか)といった問題に関わってくるからだ。

ミンスク合意とは 

 昨年9月5~19日にベラルーシの首都で調印された合意事項。停戦、重火器の撤去、ウクライナ政府による同国南東部への特別な地位の付与、義勇兵の恩赦、停戦監視団の創設などが盛り込まれている。