オバマ氏と「ウクライナでのクーデター」

ロイター通信撮影

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CNNテレビへのインタビューで、アメリカのバラク・オバマ大統領は、こう述べた。「プーチン氏がクリミアとウクライナに関してそうした決定を行ったのは、氏に大いなる戦略があったためではなく、本質において、マイダンでの抗議および私たちがウクライナでの政権移行における仲介者となった後のヤヌコヴィチ氏の逃亡で、氏が虚をつかれたことによる」

「狡猾な定式」

 オバマ氏の発言は、ロシアの多くの人の注意を引いた。ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は、米国の指導者の発言を「オバマ大統領がニュートラルに「政権移行」と呼んだところの反政府クーデターに米国が当初より直接関与していたことの裏付け」と称した。

 ロシア通信のサイトには、「マイダンは米国の仕業であるという明白な事実を認めたオバマ氏」という記事が掲載された。この記事の筆者によれば、「アメリカの指導者は、国家転覆が米国の組織的および技術的な参加のもとで行われたことを確認した」

 セルゲイ・ミヘエフ政治情勢センター所長も、そうした解釈を支持し、こう述べている。「オバマ氏は、周知のことを語ったにすぎない。アメリカは、キエフのマイダンが、強制的な政権交代のシナリオに沿って、また暴力が拡大しロシアとの紛争が深刻化するシナリオに沿って、成立し発展するよう多大なる力を注いだ」

 ミヘエフ氏はさらにこう述べる。“仲介”に関する「狡猾な定式」のもとに、オバマ氏の事実上の告白――「そう、我々(米国)がこれらすべてを組織し、仕切っているのだ」――が隠されているのだ、と。また米国は、平和的な危機打開を保障することになっていた2月21日の協定の作成および調印には一切参加していなかったのに、仲介について声明している。同氏の見解では、この事実は、ウクライナ紛争におけるアメリカの政策の本質を特徴づけている。つまり、失敗する運命にある形式的な平和的外交イニシアティヴは欧州に押し付けられる一方で、米国は、事実上すべてのプロセスを司りつつ、ウクライナの助けを借りて、欧州のロシア離れという自国の課題を解決しているという。

 

オバマ氏は米国の役割を誇張している? 

 ロシア国際問題評議会のアンドレイ・コルトゥノフ代表はこう述べる。「米国の大統領がわが国は国家転覆に参加したと声明するのを期待するのは、滑稽というものだろう。オバマ氏は、米国は一部の欧州諸国とともにヤヌコヴィチ氏と野党の間の歩み寄りの達成に参加した、と言いたかったのだ」

 コルトゥノフ氏はまたこう指摘する。アメリカは、敵対する双方との非公式なコンタクトはあったものの、ウクライナにおける公式の交渉プロセスに参加しなかった。それゆえ、オバマ氏は米国の役割を誇張していたと言える、と。

 「米国は、一方では、自ら国家転覆を促したことを認めることができず、他方では、アメリカの参加がマージナルで取るに足らなかったと見られるのは、米外交にとっては不愉快なのだ」

 

「メタファー」

 コルトゥノフ氏は、さらにこう述べる。「ロシアのメディアは、ウクライナ情勢のロシア的解釈に基づいてオバマ氏の発言を解釈した。アメリカは、たとえ国家転覆への参加が明らかな場合でさえ、その事実を認めてこなかった。そして、誰も認めていない」

 国立高等経済学院・欧州研究センターのマクシム・ブラチェフスキー氏は、オバマ氏の発言は文字通りに受け取るべきではないとし、こう述べる。「これは、この紛争においてアメリカの指導力に関わる何かもっとメタファー的なものだ」。そして同氏は、こう指摘した。この米大統領の発言を、同国の公式の仲介のない出来事にこじつけようとしても無駄なことだ」