コンスタンチン・チャラーボフ撮影/ロシア通信
「コメルサント」紙は、「ミンスク3」再開の危機について伝えている。
レオニード・クチマ元ウクライナ大統領、ミハイル・ズラボフ在ウクライナ・ロシア大使、ドネツィク人民共和国およびルハンシク人民共和国の代表、欧州安全保障協力機構(OSCE)のハイディ・タグリアヴィニ特使は、ロシアを訪問したフランスのフランソワ・オランド大統領の積極的な仲介により、ベラルーシの首都ミンスクで、ウクライナ情勢の解決を目指す「連絡部会」の協議を9日に再開する予定だった。しかしながら、ドネツィク人民共和国およびルハンシク人民共和国の代表が協議の条件に合意できないとして、欠席することになり、結局実施されなかった。
これは「神経戦」を招き、当事者は互いのやる気のなさを非難している。残りの出席予定者は、ミンスクではなく、ウクライナの首都キエフで会合を開き、延期について、両人民共和国の責任を指摘した。
「ミンスク3」の開催日について合意できていないため、先行きは不透明となっている。
一方で、両人民共和国は、今回の件についてウクライナ側の責任を指摘し、「ウクライナ東部の和平プロセスにダメージ」を与えようとするその試みを非難した。
クチマ元大統領は今週中の再開の妥当性に疑問を示している。
ドネツィク人民共和国のアレクサンドル・ザハルチェンコ首相も、協議のための協議は必要ないという趣旨の話をし、ミンスク3では停戦を含めた合意内容の履行の明確な保証を求めていく考えを示した。
「独立新聞」は、ウクライナの前政権に対する犯罪捜査の準備が始まる可能性について伝えている。
具体的には、国家資金の横領、独立広場参加者に対する犯罪、クリミア併合への関与、ウクライナ東部での紛争扇動を含む、すべての刑事事件の捜査をまとめる機構「国家裁判所」の創設の話である。捜査対象となるのは、ヤヌコビッチ元大統領本人、その周辺人物22人など。
キエフの独立広場で発生した銃撃および労働組合連合本部の放火の犯人は、まだ誰かわかっていない。
キエフでは、集会1周年に向けて、新たな運動が起こっており、参加者はヴィタリー・ヤレマ検事総長の業務怠慢を非難している。
これを背景として、国家裁判所の創設案が浮上した。一部専門家は、現ウクライナ政府が経済問題から国民の関心をそらそうとしている、と指摘している。
国際民主主義研究所のセルゲイ・タラン所長はこう話す。「政府には現在、社会から強い圧力がかかっている。独立広場での銃撃、クリミア併合、ウクライナ東部の不安定化に関与した犯人をすべて処罰するよう、社会は求めている」。ウクライナから逃れた政治家・役人のビジネス組織は、いまだにウクライナの入札に参加し、国家予算から資金を受け取っているため、国民の間では不満が高まっていると、タラン所長は考える。
「モスコフスキー・コムソモレツ」紙は、欧州連合(EU)が15日、対ロシア経済制裁の追加パッケージを発動する予定、と伝えている。
特にクリミアに対する制裁は強化され、ヨーロッパの投資が制限される。EUの市民によるクリミアの商業法人への融資や取得、EUの企業によるクリミアでの観光ビジネスは禁止される。
EUの関係者は制裁強化の理由として、ウクライナ東部の情勢が落ち着いていないことをあげている。また、ガスプロムがクリミア近くの大陸棚で石油・ガス開発を行おうとしていることへの反応でもある。
EUはこれまでに、ウクライナの証明書のないクリミア製品の輸入、また交通、通信、エネルギーのインフラ・プロジェクトへの投資、さらに石油、ガス、鉱物の鉱床の開発も禁じている。
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