露はアジア向き政策を活発化

ロイター通信

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東南アジア諸国連合(ASEAN)、ロシア、日本、アメリカ、中国など18ヶ国が参加する東アジア首脳会議(EAS)が13日、ミャンマーの首都ネピドーで開催された。会議に出席したドミトリー・メドベージェフ首相は、バランスのとれたエネルギー市場、自由貿易圏、地域安全保障システムの創設の面でアジア太平洋地域と協力していくことを確認した。この方向性を定める書類の一部は、来年にも調印される可能性がある。

 メドベージェフ首相は会議で、アジア太平洋地域においてバランスのとれたエネルギー市場を創設することが必要だと述べた。「最近結ばれたばかりの、ロシアから中国へのガス輸出拡大に関する大型契約は、炭化水素輸出マップの妥当な変化の一部。他の国のエネルギー利益も考慮に入れる用意がロシアにはある。その際、輸出の地理的拡大と安定確保だけでなく、電力取り引きの拡大、非従来型エネルギー資源の開発、インフラ・プロジェクトの実現を自国の課題としている」

 また、貿易の障壁を低減させるような、地域的な経済統合の強化、特恵貿易メカニズムの展開を促そうとしているという。「包括的な地域経済パートナーシップおよび太平洋パートナーシップの創設を含む、他のプロジェクトも注視している」とメドベージェフ首相。

 来年にも関税同盟(ロシア、ベラルーシ、カザフスタン)とベトナムの間で自由貿易圏協定が結ばれることも発表。この文書は他のアジア太平洋諸国との合意のひな形として使われる。

 アメリカ系市場調査会社「IHS」アジア太平洋首席エコノミストのラジヴ・ビシュワス氏によると、ロシアと欧米の関係が冷え込む一方、ロシアとアジアの関係は今年、著しく良好になったという。ロシアと中国の関係は、複数の新規大型エネルギー契約が結ばれた結果、強化された。中国経済は2025年までにアメリカを超えて世界第1位になると予測されているため、ロシアにとって中国市場は重要である。「中国にとってエネルギー安全は最優先事項であり、ロシアは急成長する中国経済にとって主要な石油・ガスの供給源となる。BRICS、アジア、インドの国々とロシアの二国間関係は強固。インドのエネルギー需要は今後20年で大きく伸びると予測されており、ロシアはインドへの液化天然ガス(LNG)の大量の供給について合意した」とビシュワス氏。

 

安全あっての経済成長

 メドベージェフ首相が会議で触れたもう一つの非常に重要な点は、地域安全保障。テロの脅威の高まり、大量破壊兵器の拡散、地域紛争について話をした。次回のマレーシアEASまでに、「ロシア、中国、インド、インドネシアの取り組みを勘案しながら、未来の地域安全保障システムの統合コンセプトを準備してもいいのではないか」と述べた。この行動計画のプロジェクトはすでに、ロシアによって提示された。

 ロシア軍事予測センターのアナトリー・ツィガノク所長によると、地域安全保障システムには3つの方向性を含む可能性があるという。「第1にミサイル防衛センターの創設。ロシアは以前、北大西洋条約機構(NATO)に対し、地域ミサイル防衛センター(ヨーロッパおよびアメリカ)の創設を提案したが、実現しなかった。国内では極東(ハバロフスク、ウラジオストク)にできるかもしれない」。ツィガノク所長によると、ミサイル防衛資源のある中国とインドにも、このようなセンター創設の可能性があるという。「第2の重要な方向性は海賊行為防止。第3に中東の聖戦主義者との闘い」とツィガノク所長。