宇南東部向け人道支援第4弾が到着

AFP/East News撮影

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ロシアがウクライナ南東部向けに送った人道支援第4弾が到着した。支援トラックに積まれているのは、ウクライナの反テロ作戦によって壊滅的被害を受けているルハンシク州、ドネツィク州のインフラ再整備用の建設資材など。ウクライナ政府はこれを自国領域へのロシアの干渉と指摘している。人道支援第1弾が政治笑劇に変わって以来、ロシアは南東部で困っている人のための人道支援にウクライナ政府の合意を得るのをやめたと、専門家は話す。

 ルハンシク州、ドネツィク州の住民のための人道支援トラックが現地に着いた。ロシア連邦非常事態省のウラジーミル・アルタモノフ次官は、インフラ再整備用の建設資材であることを説明した。

 ロシアはこれまでに3回支援を送っている。食料品(脱穀穀物、缶詰など)、発電機、医薬品、衣料品(冬用など)、飲料水など、あわせて6000トンを搬入した。

 

ウクライナ政府の反応

 ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領は、人道トラックの車列をロシアによる自国への干渉と指摘。ウクライナ外務省は、車列に関するいかなる外交文書も受け取っていないと主張している。

 「ロシアが第4弾を実施した場合、再度の国連憲章違反となる」と、ウクライナ外務省国際組織部のユーリ・ヴィトレンコ副部長は28日、国連安保理の公聴会で述べた。

 また、内戦による避難民の人数は27万5500人であり、ロシアが発表している83万人は正しくないと主張した。「この数字は信用に値しない。調査は独自に行われたもので、ロシア連邦自体が唯一の情報源になっている」とヴィトレンコ副部長。

 ロシア外務省のグリゴリー・カラシン次官は、ウクライナ政府にあらかじめ、人道支援の車列について連絡をしたと反論。「ウクライナ南東部を助けなければならない。支援についてはかなり前に合意している。秋になって寒くなると、支援は喫緊になる」

 今回の支援は過去最大。約1000トンの食料品や他の品を届けようとしている。

 ウクライナ政府は今年4月、南東部の分離独立派に圧力をかけるため、反テロ作戦を開始した。国連の9月11日のデータによると、軍事衝突によって死亡した一般市民は3200人。負傷者は8000人を超える。ベラルーシの首都ミンスクでウクライナ情勢の解決を目指す「連絡部会」の協議が行われ、ウクライナ政府と南東部の義勇軍は停戦合意を結んだ。合意は9月5日夜から有効となっている。

 

人道支援は干渉か

 「厳密に言えば、ロシアは現在、法的領域外にいる。数ヶ月前に最初の人道支援車列を送ることを発表した後、ウクライナは政治的立場を示し、この問題でロシアより優位に立とうとした、ウクライナ政府はロシアの支援物資を国境で止め、先に自分たちの支援物資を提供した。ロシア政府は以降、ウクライナに聞くことなく、計画を通知するだけにしている」と、ロシア国立研究大学「高等経済学院」複合研究センターの上級研究員、アンドレイ・スズダリツェフ氏は話す。

 領土の一体性の侵犯と干渉については、ウクライナ政府の領土および人民共和国の州を明確に定めた場合にのみ、話し合うことが可能だという。「ミンスク停戦合意によれば、ドネツィク人民共和国とルハンシク人民共和国の政府はロシア連邦との幅広い協力プログラムを実施できる。つまり人道支援の車列はこの合意に則っていることになる」とスズダリツェフ氏。

 独立軍事専門家のヴィクトル・リトフキン氏は、ウクライナ政府が車列の受け入れを官僚主義的に遅らせ、検査を長引かせ、また政府の管理下にない武装集団が車列攻撃を予告したことから、ロシアが以降、ウクライナ政府の許可を得るのをやめたと話す。「車列が義勇軍に管理された国境検問所を通ると、ロシア側からの干渉という、ウクライナ政府にとって格好の政治騒動および笑劇の口実ができる。どこの指導者も、車列にいかなる武器も積まれていないことをよく知っている。だが報道では情報をいかようにも変えられる」

 国際赤十字は職員の安全問題に対する懸念などを理由に、車列への同行を拒んでいる。「武装集団と分離独立派の衝突が続いている領域の安全性について、誰も赤十字の職員に保証しなかった」とリトフキン氏。