プーチンがガス問題で歩み寄り

AP通信撮影

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16~17日にイタリア・ミラノで開催されたアジア欧州会合(ASEM)では、多くの予想を裏切る形でウラジーミル・プーチン大統領が好結果をもたらした。ウクライナ問題で前進があり、ウクライナへのガス供給について両者は大筋で合意。ヨーロッパは落ち着いて冬を迎えられそうだ。

 ASEMのクライマックスは17日に訪れた。この日注目されたのはプーチン大統領。ASEM首脳会議の挨拶や個別会談などが目白押しの過密スケジュールを、精力的にこなした。

 ドイツのアンゲラ・メルケル首相と深夜から会談を開始し、次にイタリアの旧友シルヴィオ・ベルルスコーニ元首相と朝4時まで話し込んだ。

 8時には元気な様子で笑顔を見せながら、イタリアのマッテオ・レンツィ首相主催の朝食会に参加。この朝食会には、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領、メルケル首相、フランスのフランソワ・オランド大統領、イギリスのデビッド・キャメロン首相、欧州委員会のホセ・マヌエル・バローゾ委員長、欧州理事会のヘルマン・ファンロンパイ議長も出席。ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は「一部参加者にはウクライナ問題に関する先入観や非柔軟な姿勢があった」と述べていたが、1時間半続いた朝食会を、参加者全員が「良いものだった」と評価した。

 朝食会が終わると、全員(ポロシェンコ大統領を除く)がASEM首脳会議のために移動。ウクライナ、ヨーロッパや世界のエネルギー安全などの重要な議題が用意されていた。会議ではプーチン大統領も挨拶。「世界、異なる大陸間で、テロ、伝染病、その他の今日の問題の防止のため、関係の発展が見られる」と述べた。

 会議終了後に行われた記者会見では、バローゾ委員長が「多くの問題について建設的な対話が行われ、プーチン大統領の歩み寄りは、ウクライナに関する対話を後押しした」、「サウス・ストリームからウクライナまでのすべての問題について真摯な話し合いが行われた」と述べた。

 ファンロンパイ議長によると、「ミンスク停戦合意の維持の必要性」を全員で確認し合い、「プーチン大統領はウクライナで沿ドニエストルをつくりたくないと我々に話した」という。レンツィ首相は「ウクライナ情勢の解決はウクライナ、ヨーロッパ、またロシアにとって有益。ロシアは国際舞台に完全に復帰する可能性がある」と述べた。

 

主要な問題はガス

 首脳会議閉幕後、6月のノルマンディー上陸作戦70周年の式典で初会談を行ったことにちなんで名づけられた「ノルマンディー協議」に、プーチン大統領、ポロシェンコ大統領、メルケル首相、オランド大統領が出席し、ウクライナ情勢、特にガス問題について詳細に話し合った。

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 そして前進。ポロシェンコ大統領は協議後こう述べた。「ガス問題で前進し、ガス供給に関する契約の新たな基準について合意し、あとは融資方法、すなわち契約を締めくくる金銭に関して協議するのみ」。オランド大統領も同様の話をした。「ガス問題の合意まであと一歩。新しい契約の基本的なところについては合意し、残るは金融部分」

 プーチン大統領もこれを確認。「少なくとも冬期のウクライナへのガス供給再開の条件について、ウクライナ側と合意した。すべての点について確認し合った」。ただし、「ロシアはこれ以上債権を増やしながら供給することはない」と強調。現状において、「ヨーロッパはウクライナに肩を貸し、支援すべき。ロシアも支援しているし、明らかにリスクを背負い、それを自国のものとしている。ヨーロッパも少しはリスクを背負うべき」と述べた。

 レンツィ首相は夕方、プーチン大統領を昼食会に招待。リラックスしたムードでノルマンディー協議の結果などについて1時間半話し合った。

 その後オーストリアのヴェルナー・ファイマン首相、次にポロシェンコ大統領、さらに複数の首脳と、相次いで二国間首脳会談を行った。

 プーチン大統領は今回のイタリア訪問の結果に満足を示し、記者会見で「有益な訪問だった」と感想を述べた。「ASEMや二国間会談などで、アジア諸国やヨーロッパ諸国の多くの代表と話し合うことができた。十分に内容の濃い、包括的な協議であったし、これはロシアと欧亜諸国の関係発展に寄与すると確信している」